百二十五話 やらかし結婚編60
ミュゼットは何でも知っている…なので、嫁たちの仲も聞いてみる事にした。本当は各人に聞く方が良いんだけど…
「ルチルレート様が満遍なく全員と親しいですわね…意外でしょうけど。誰彼隔てなく呼び捨てにしていますし、理想像ですわ」
「さすがルチル…」
「そうですわね、るっちーですもの…次点でというなら少なくとも、他は二人を除いて横這いですわね。同盟の仲もありますし…問題はミリスベル様とリテラ様ですわ」
やっぱり、そこに行き着くか…俺と同い年。つまりは他にしてみれば完全に年上。ましてや、嫁としての同盟とやらの交流希薄…そして、浮気相手くらいには許容していたが、まさかの嫁入り。浮気相手は全員共通認識してたの怖い。
まあ、深く事情知ってる嫁と知らない嫁居たのは当然か。俺も百合結婚知らんかったわけだから…という事で、臆する事なく交流出来るのと出来ないのとで色々とゴタゴタしてるわけか。
宴会だな。それしかない…酒飲めば本性も分かる。まあ、ミリスベルもリテラもいい大人なんだから、しっかり話するのが先決だと思うけどな。
「単に小兄様が纏めて抱けば済む話なんですけれどね」
「ミュゼットも俺同様大概だな…」
「小兄様がそうさせたんですわ…あんなに激しく愛されたらバカにもなりますわ」
はい、調子に乗りました。そうさせました…まあ、俺という接点があれば仲良くはなれるよね。ミュゼットも思い出したのか顔赤くしてるし、ちょっとムラムラしてきた…
結局のところ、仲違いする理由があるわけではなし、俺の知らないところ…主に、夜にそれなりに語らいとかしてるらしい。昨夜どうだったとか。今頃、シルディがルチルたちに囲まれてるんだろうなぁ…
結婚式の準備とかも丸投げしてるし、サプライズ頼める友人も居ない…え、そういう余興するの披露宴あるあるじゃないの?
「前世の知識を使い過ぎですわ…貴族が多く集まる場で出来る余興など必要ありません」
「詩吟とかカラオケとか弾き語りとか小芝居とか…」
「品位と機械と伝統と技術がありませんわ」
そだな…やるとしても剣舞くらいか。刃がついてるから無理…なら木刀でいいやん。見栄えが悪い…ミュゼットわがまま。
アリスベル様の時はどうだったのか聞いて参考にする方向で…ミリスベルとリテラは披露宴しなかったのだろうか。俺、参加した記憶無い。友人代表で挨拶した記憶無い…あったとしても忘れてる。
*
ミュゼットとまったり過ごしたらもう昼である。ただ膝の上に乗せてイチャコラしていたともいう…行為まではしていない。レシア鼻効くもん。セリーヌと一緒に戻ってきて、臭い嗅いでたもん。キスまでで止めておいて良かった…
そこへラティーナ嬢がやってきてお昼…になったのだが、明らかに量が多そうなバスケットを持ってきていたりするわけですよ。
「皆さんの分も作ってきましたので、一緒に食べましょう」
「あたしとしては昼飯代浮くから良いけど…良いの?」
「レシアもセリーヌも沢山食べるからなぁ…足りないかも」
レシアに殴られた…事実言っただけなのに。なお、それも分かっていてバスケット二重底になってたわ。どれだけ作ったよ…
バナナサンドが多い。25%ほどがバナナサンド…メルとアンが死んだ魚の目しながら屋敷で食べている光景が目に浮かぶ。なお、ミュゼットも死んだ魚の目しながら呆けている模様。
後、朝の食べられなかったサーモンも多量。俺も死んだ魚の目になってる。王城とかに持って行ったり、騎士学校に持って行ったりしても良かったのよ? 持って行ったってか。どれだけ作ったよ…マジで。
つまり、お残しは許されない…晩御飯もサンドイッチになるけど食中毒怖いから。頑張れ、レシアとセリーヌ…外回りから帰ってきたんだから腹減ってるだろ。特にバナナサンド沢山お食べ。嫌な顔すんな、生クリーム入ってないからって…




