表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/296

百十七話 やらかし結婚編52

シルディナ嬢を膝に乗せたまま日向ぼっこである…キス無し。言葉も要らない…二人でのんびり過ごす昼下がり。未だシルディナ嬢からのダイレクトアタックでナイトソードやばいけど。


思えば、大なり小なり原作に多大な変化を与えてきた俺の行動の中で彼女が一番の異端なのだと考える。


父に斬り続けられ耐えた強い子…だが、原作では悲惨な末路を辿る。レシアが見つけなかった場合も同じだっただろう…そういう意味でも本当に感謝してる。


原作では深く語られなかったが、斬り続けられた結果の死か、あるいは俺みたいな好色家に引き渡された上での死か…どちらにせよ、俺が今こうして俺で居て良かったと思える理由の大きな一つが、この温もりを失わなかった事だと自信を持って言える。


でも、だからこそ伝えなくてはいけないとも思っていたりする。前世という名のズルを……勿論、ミュゼットやシェリチェ嬢の事についてズルとは思わないし、黙っていてくれて構わないと思う。けど、夫である俺に関しては話が別だ。


俺が居なければ失わなかった命もある……それを天秤にかけた時、どちらが良かったのかを知る権利が彼女たちにはある気がする。そして、俺を責める権利も………俺ズルして嫁を騙した悪人だもんに。


特に明日から向かい合う嫁たちに対してはその気持ち強い……まだ嫁たちの気持ち疑っているのかって言われそうだけど、気持ちなんて場合によっては一瞬で冷めるもの。その場合が俺の転生という事だと思う。


このまま隠し通すのも一つの手だが、俺の罪悪感は消えないだろう……なんて感傷に浸るほど立派な人間でもないけど。ただ知る権利は行使したい。




「やめとき。ロクな事にならんで」


「ですよねー…」


「だいたい、兄さんが変えたオリジナルの展開やと、マリアベルはんは片足切断。レシアはんはおそらく嬲られて死ぬし、クリスティーナはんは顔に傷残ってシルディナはんは死体。ウチらはあんな連中と結婚やし…今の方がよっぽどええやん」



午後の執務…ルチルがマリアとシルディナ嬢を内部の視察に連れて行き、レシアはセリーヌと気晴らしの見回り。前世コンビの俺とシェリチェ嬢が残って話し合い…俺がルチルとセリーヌにそうしてくれと言ったのだが。


実のところ、俺が一番気にしているのはミリスベルとリテラだったりする。他の面々に関してはもうほぼ割り切ってるんだよ…


アスラーンの死は、間違いなく俺がミリスベルと親しくなったから。そこだけが本当に割り切れてない。一応、ダチと思っていたし……短い付き合いだったけど。今度墓参り行こう。



「…まあ、兄さんの気持ちは分からんでもないで。外伝にも影響あるし、2や3にも響くからな」


「…外伝は知ってるんだが、2や3ってどんな内容なんだ?」


「2はクロスリンデの話やな。テレサベル様の息子が攻略キャラの一人やから、今から数年先の話や。ようある二番煎じやけどな…異国の聖女様的な」



平民聖女がヒロインのお話らしい2…隣国の聖女が命をかけて魔物を倒した話とか出て、聖女を重要視する風潮になったとか。うん…俺、十分悪影響出してるわ、それ。ラティーナ嬢何もしてないし。


更に3は、アレモニアとクロスリンデの未来の話。ヒロインは王家ゆかりのキャラ。暗殺者の攻略キャラなど……それも歪んできてない。マリアやルチルの子孫じゃね?


考えれば考えるほど、やばたにえん…まあ未来の事は知らん。そのヒロインたちに頑張ってもらおう。俺はそこまで責任負えんわ。だが、嫁の事は違う…



「…言うてもええけどな、兄さんの口からは言わん方がええで。ウチかミュゼットはんが言うなら言う……そんで兄さんの事悪く言う奴はしばく。そんなのはおらんと思うけどな」


「そうかなぁ…」


「兄さんが好きやから、嫁になったんやで。ただの外道なモブキャラのアレクシールやなく、あんたを好きになったんや」



外道なのは余計。今も外道だし……更に「言うなら、全員と寝てからや」と釘を刺された。当然、未成年は除くが…起こってしまった事と起こらなかった事は覆せない。セーブとロードなんて出来ないのだと念を押された。


早い話が、別れるなら価値観の違いとかじゃなく体の相性が悪かったの方が通しやすいらしいと……めちゃくちゃ騙されてる気しかしない。が、どのみち悪者になるなら役得くらいしとけって事と割り切るわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ