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十一話 やらかし16歳・騎士学校編

二年になった。ここからが騎士学校の本番とも言える。野営訓練や王宮騎士団からの指導、王都の見回り補佐など本格的な騎士としての心構えを教えられる………ぬるくてあくびちゃん。


魔物に怯えて過ごす辺境伯領とは違い、野営も見張りする程の危険無い。むしろ、敵襲だーと叫んで寝込んでいる奴ら叩き起こすの面白い。え、それはやり過ぎだって…辺境では日常茶飯事だったが?


王宮騎士団弱くて瞬きもせずに倒せた。ダーサッ、ヨーワッ、ミットモナーイ。騎士団長まで出てきたけど、キングコング程じゃなかった…まあ、別格ではあったよ。久しぶりによーく動いたわ。アバラ三本で済んだ。小聖回復、小聖回復(ヒール、ヒール)


と、やり過ぎて王宮騎士団員からヘイト向けられるようになってしまった。どーしようもないおっちゃんおばちゃんである。今日も一人で見回り毎日ぐーるぐる…普通、二人一組なのだが俺と一緒に行動すると睨まれるとまで言われ拒否される。ボッチにはなれてるもん。ぐすん…


そんなで今日は露店街を歩いて見回り…喧騒の中から、「このこそ泥がっ!」という声が聞こえてきた。


近づくと、おっさんが子どもを殴り倒していた。その子どもは倒れ、手からリンゴが転がる…更におっさんは足蹴にしようとするが、さすがにそれはやり過ぎだと止める。


俺はそのまま子どもに近づき、転がったリンゴを手に取る。おっさんに財布から出した金貨を渡し、追い払う……ちょっと見栄張りすぎた。銀貨で良かったと後悔する。


子どもは殴られて気を失ったようで動かない。幸い、フード付きのボロっちいマントを着ていたので隠して殴られた顔を小聖回復(ヒール)で癒す。


さて、どうしたものか…体格からしてミュゼットとそう対して年は変わらない。どろぼーするくらいだから仕方ない死んでも…とまでは思わないが放置しておくのも嫌なものだ。


そういう子どもは他にも居るのは分かりきっているが放っておけない。だが、もしこれがミュゼットだったら、メルモニカだったら……


エゴだと思いつつ、その子ども…おそらくクソガキ(男の子)を抱えて寮に戻る事にした。だって、臭いんだもん…仕事放棄、何それ子ども保護する方がよっぽど重大じゃわい。子どもも救えない仕事に意味なぞ無い。


寮に戻り、風呂を沸かして丸ごと放り込む。どうせ一回で終わるような汚れじゃない。丸洗いじゃい。マントを脱がせ、服を脱がせ、下着も脱がせ………おや?



「きゃぁぁぁぁぁ」


「ちょっと待て、誤解da…ふぐっ……」



脱がしきったと同時に目を覚まして叫ばれ暴れ暴れ暴れまくられた。鳩尾に良いパンチ入ったし、顔面引っ掻かれた……甘んじて受けよう。女の子だった…ついてなかった。




「という事があってな、ルドルフ…」


「ミリスベルですけど…」



夜、珍しく俺がミリスベル様に愚痴っていた。あの後大変だった…騒ぎを聞いた寮長とかが女の子、レシアを保護。俺は尋問を受ける羽目になった。


連れ込んで襲おうとしたなんて冤罪は晴れた。が、ロリコンの謗りは免れなかった…仕方ない。乙女の柔肌見たんやもん。粛正されても仕方ない…


レシアにも丁寧な謝罪した。慰謝料も渡した…用意して良かった学費分。金貨300枚は渡しすぎた気しなくもない…



「でも、一番悪いのはこの国なんや。子どもを飢えさせてるこの国の王族なんや…レシア以外にも飢えてる子は大勢居るんや。ナズェダっ!?」


「愚痴っている相手、王族なんですけど……でも、アーくんの言う事は正しいですね…」


「分かってくれるか、ルドルフっ!」


「だから、ミリスベルですって……アーくん、お酒飲まない方が良いですよ…」


「オマエモナー」



のまのまウェイでいられるかー。男は飲んで飲んで忘れて眠るんやで…オエー。


数日後から、ミリスベル様が奉仕の心に目覚め炊き出しやら孤児院訪問を何故か始めた。それに俺も巻き込まれるようになった……まあいい。


でも、何故か制服のクリーニング代とゲロを頭からぶっ掛けた慰謝料を請求された。解せぬ…

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