百五話 やらかし結婚編40
更にレシアにリテラを連れてきてもらい、二人を座らせる。最年長なのに往生際が悪い二人…むしろ、俺に娶られたんだからって覚悟決めすぎの方が怖いけども。誰とか誰とか…
まあ、これが普通の反応なんだろうよ。半ば強引にバスタオル剥ぎ取られ、耳やうなじを真っ赤にする二人…ウブな反応だこと。俺と同い年だろうが、その反応は少女的なものである。
まあ、アスラーンとはそういう関係にならなかったミリスベルと、アスラーンとして二重生活しなきゃいけなかったリテラ…全てこの国の性教育が悪い。保健体育は大切な教科なんだと思う…とか声を大にして言ったら変態扱いなんだろうなぁ。ロリコンナイトだけで十分変態だけど。
「じゃあ、まずはミリスベルの髪からな」
「う、うん…痛くしないでね。私、結構髪細めだし…」
「酒の飲み過ぎでそうなってるんだよ…」
飲み過ぎ良くない。百薬の長でも過ぎたら毒やねん…デトックス必要。口寂しいならその都度キスしたる。そう言ったら振り向こうとしてきた…が、マリアとセリーヌが阻止。風呂場の鏡のレーティング強いのにわざわざ見せようとすんな。
髪をほぐして、丁寧に洗っていく…酒もだが品質悪いシャンプー使ってんな。元王女の癖に、そういうところこだわってない。それにマリア以上に痣も多い…不出来な姉をもつと大変だね。
「お酒を飲んで帰ってくる度に、元教育係の侍女に叩かれていました…王女がはしたない。婚約者が居るのにと」
「……半分は俺の所為なのね、そうなのね」
「全部だよ…」
マリアの告発に俺が悪いと言い張る愚姉…ほほぅ。言いますなぁ…ちょっとカチンときた。
ミリスベルを後ろからきつく抱き締めて、耳元で囁く…
「覚悟しとけ、もっとはしたなくさせるからな」
「あ、アーくん………その、当たってるよ。なんか硬いの」
当ててんのよ。カチンコチンになった(以下略)…まあ、あまりやり過ぎるとマリアが羨ましそうに見てるから暴走するのですぐ離してやる。
後は大人しいもんだ。少し前屈みになって再度抱き締められないよう丸まった背中も洗い流しておしまい。レシアとの睦み合い見てた癖に今更もいいところである。
終わったらそそくさと湯船の方に逃げた…勝った。マリアやセリーヌの羨ましそうな視線とレシアの呆れた視線さえ気にしなければ。
さて、次はリテラである……正直、成り行きで嫁にしてしまった友人。本人は嬉々としていたからいいんだと言い聞かせてはいるが、アスラーンだったんだよな。TSかなと今も正直錯乱中。
こうして見てみると体格は一般的な女性的スタイル……どうして今まで男と思ってきたかねぇ。自信無くなるわ。まあ胸も潰してしっかりと男装していた………まるで、原作のクリスティーナ嬢みたく。
「…もしかして、アリスベル様に男装の仕方教わった?」
「よく知ってるね、アレクくん。最初の内はアリスベル様が色々と教えてくれたんだよ。でも、窮屈だし大変だったよ」
「そうか…」
クリスティーナ嬢はアリスベル様のところの寄子。つまり、そういう事か……アリスベル様は男装趣味がある。まあ、別に男装云々はどうでもいい……今度、教えてもらおう。ミュゼット男装させて楽しもうと思う。
それはさておき、彼女の本心である。こんな外道の嫁に本気でなるのかと……今更だけど。籍入れちまったけど。指輪も買ったけど…
「ぼくはね、アレクくんが良かったんだよ」
「……本気にするぞ。俺、単純だから」
「嫌なら頭や背中洗わせたりしないよ…」
横にいるレシアも大きく頷いている。好かれるような事したっけなぁ…子作りしろと発破かけた記憶しかない。それが今、我が身に跳ね返ってきている浅はかさよ…マムシドリンク飲まねば。




