「お嬢さん。今日どんなパンツ履いてるの?」
土曜日。美樹に相談に乗ってもらったお礼のデート当日。美樹にデートと言ったら否定されるだろうけど、可愛いJKと休日に一緒におでかけ出来るなんて私得なイベントはデートと呼ぶしかない。
部活のことも気にしなきゃいけないけど、それは一旦忘れて楽しみたいと思う。
待ち合わせは駅の西口前にある女の人の銅像の前だ。美樹の家は隣だし、どっちかの家で待ち合わせをする方が早い気がするけど、様式美という奴だ。
待ち合わせ場所が目に見える距離まで来た。美樹はもう既に居て、凄く真剣な表情でスマホを見てて、どうやら私が居ることに気付いてないみたいだ。
私のいたずら心が刺激される。近づいていることがバレないように他の人の流れに合わせて移動。
……よし。バレてない。
美樹の後ろに回ることに成功した。
美樹は意外とビビリだから、声のかけ方に気を付けないと。
それにしても今日の美樹の服装いいなぁ。美樹はいっつもスカートは恥ずかしいって言ってプライベートではスカートを履いてくれないんだけど、今日は履いてくれてる。膝下まで丈のあるロングスカートだから足が全然見えないのがとっても残念だけど、それでも子どもの成長を目の当たりにした親の気分になって嬉しい。
だからかな。ちょっと変な気分になっちゃって抱き着いちゃったのは……。
「お嬢さん。今日どんなパンツ履いてるの?」
しかも失言のおまけ付き。
「きゃぁっ」
可愛い悲鳴と共に繰り出された肘打ちは、私のお腹に見事クリーンヒットした。
出かける前の私。良くやった。朝ごはんを食べてたら大変なことになってた。
私はあまりの痛さに蹲る。
「あ、茜? 大丈夫?」
蹲ってる私を見て、抱き着いてきたのが私だって気付いたんだろう。美樹が心配してくれる。
「大丈夫……。我々の業界じゃご褒美だから」
私は罵られたり蔑まれたりするのは大好きだけど、痛いのは好きじゃないからちょっと違うんだけど、美樹の目がちょっと涙目になってて、怖い思いをさせちゃったのはやり過ぎたと思うから。
「ごめんね。怖がらせるつもりはなかったんだけど。美樹が可愛くてテンションがおかしくなっちゃった」
「茜は女の子なら誰にでも可愛いって言うじゃない」
「失敬な! 誰にでもじゃないよ! 可愛いと思った子にしか言ってないよ!」
「ほら、茜。早く買い物行くよ」
私は美樹に手を引かれて立ち上がる。
「その前に写真! 1枚! 1枚だけ!」
私服スカートの美樹は珍しいから記念に写真を撮っておかないと。私はショルダーバッグからカメラを出す。念の為にカメラをショルダーバッグに入れておいて良かった。カメラを首から提げてたらさっきの肘打ちで壊れてたかもしれない。とっても高価なカメラという訳ではないけど、小さいころから使っているものだから壊したくない。
「駄目。いつもそう言って1枚で終わったことないじゃない」
それを言われると痛い。でも、それは美樹が可愛いのがいけないから私のせいじゃない。
「早く行こ。今日は色々やることあるんだから」
美樹は私を置いてスタスタ先に歩いていっちゃった。
「待ってよ!」
折角出したカメラをまたショルダーバッグにしまってから、早足で美樹の隣に行く。
残念だけど、今は諦めるしかなさそうだ。人を撮る時はモデルに許可を貰わないとね。
……でも、私は絶対に諦めない。美樹は押しに弱いところがあるから、デート中、機会を見てまたお願いしよう。
色々あったけどデートの始まりだ。
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