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号外
“ガラクシアの厄災”から早一ヶ月、ラウム王国の内外の状況は依然として混沌としている。他国からの侵攻はガラクシアから無事脱出したルシウス・ラウム国王を中心にその七英傑のシリウス、エストレアが何とか防いでいるが
ラウム国内でも凶暴化した魔物に襲われる村が急増しており、兵団の指揮系統の回復が期待される。また、有識者は魔物の凶暴化と“失楽園”による魔素濃度の上昇に因果関係があるのではとイデアル同盟に訴えている。
いずれにしても一刻も早い王権の復興が必要である。
このような状況の中、魔物に襲われた村で奇妙な人影を見たという話が続々と上がっている。なんでも、白髪混じりの赤毛の槍使いが魔物を次々と殲滅しているらしい。槍使いの顔を見たものはおらず、名も名乗らずに去るため真相は不明である。
ラウム王国始まって以来の大混乱をルシウス国王がどのように乗り切るのか、注目が集まる。
『ラウム王国のとある街の号外』より