68.求む、萌えモンスター!
ビジランティを倒し、新しい冒険が始まった。
まずは……女性4人パーティーの応援だ!
「後方から10、左から12!」
後ろと左からモンスターが現れた。いま戦っている前方の敵は約30匹ほどだが、これで50匹になってしまった。
「リア、後ろの奴を足止めして。左と後ろは俺一人でやる」
「わかった!」
パラライズウォールを出して、後ろのテラタンを麻痺させて足止めをしてくれた。
前方から俺が抜けて5人になるが、暫くなら問題ないだろう。
今回パーティーを組んだのは、以前リアとパーティーを組みたいと言っていた女戦士のパーティーだ。植物に詳しいので野外調査などが多いらしいが、今回も調査で森の奥深くまで入って来た。そこでテラタン、蜘蛛人間だが、神話のアラクネのように可愛い人間寄りの形ではなく、蜘蛛だ。
蜘蛛の上半身が人の上半身に近い形をしているだけの蜘蛛だ!キモイ!
この世界に萌えモンスターは存在していないのか!?
「左と後ろは俺がやります。前の奴らはリアと一緒に対処してください」
「ええ、お願いするわ」
リーダーのベネットさんに前をお願いして、左の敵を倒しに向かおう。
テラタンは戦士系も魔法系も武器は持たないが、戦士系は腕に鋭い棘が生えており、魔法系は棘は無いが小さな腕が数本生えている。
上位型は頭もよく、個体によってはリアよりも魔法が強い。今回は幸いにも上位型は居ないので助かっている。
後ろの奴らが動き出す前に左を終わらせないといけないのでノンビリはしていられない。
左のテラタンは魔法系がほとんどなので、群れに突っ込み魔法を撃たせないようにして倒すとしよう。魔法型と言っても体は硬く、普通の武器だったら倒すのは一苦労するだろう。
アダマタイトの武器って本当に便利だと思う。テラタンを簡単に切り裂けるから。
左は終わった。次は後ろだが、まだ10匹全部痺れて動けないでいる。
左の12匹を倒すのに15秒くらいだったかな? パラライズウォールを使って20秒ちょっとといった感じだから、麻痺の時間が結構長い。増々嫁が強くなってるぜ!
取りあえず各個撃破と行きますか。
後ろから来た最後の一匹の麻痺が解けるまで待ってみたが、1分以上待っても麻痺したままだったから倒した。いつまでも前線から外れているのはマズイしね。
前を見ると残りのテラタンは10匹ほどだった。リアが居れば問題ないだろうと思っていたけど、予想以上に敵を倒せていた。
「後ろと左は終わりましたので合流します」
「お疲れ様。じゃあこっちも終わらせましょう」
全員が揃ったので隊列を整え、残党狩りを開始した。
「あなた達を呼んで本当によかったわ。こんなに大量発生していたら、普段なら撤退しているもの」
「ああ全くだね。噂には聞いていたが、実際に見ると噂以上だね」
テラタンを倒し終わり、蜘蛛の糸などの素材を回収している。
「ありがとうございます。お役に立てているようで安心しました」
ベネットさんのパーティーは戦士3人魔法系1人の4人で全員が女性だ。
装備や戦い方はアズベル達とは違い、ベネットさん達は金属鎧と盾と剣を装備している。
ベネットさんは少し色の抜けた黒髪の肩まであるストレート、左右の髪を後ろで束ねていて、装備が無ければシスターか看護師さんかと間違えるほど優しい顔立ちだ。
「それにしてもアセリアには驚いたわ。こんなに強くなっているなんて思わなかったもの」
「ありがとうございます。師匠の厳しい特訓のお陰です」
「師匠ってユグドラとルリ子よね?ルリ子は分かるけど、ユグドラも魔法を使えるの?」
「ユーさんは凄いんですよ!魔法の成功率はまだまだユーさんの方が高いんです!」
目を輝かせて説明してる。なんだかすっごく照れる。
「うわさに聞く第8グループを使えるの!?」
魔法使いさんが食いついてきた。
「はい!ユーさんも私も使えますよ」
「教えてよ~ねぇねぇユグドラ~」
なんかすごく腕に抱き付いてグリグリされてる。よっぽど魔法を覚えたいんだな~。
「魔法はリアの方が詳しいのでリアに聞いてください」
「え~もうつれないなぁ」
諦めて離れて行った。あれ?リアに聞かないのか?
「よし、回収はこの辺でいいでしょう。先へ進みましょうか」
覚えている方はお久しぶりです。7ヶ月ぶりの復帰です。
向こうがひと段落着いたので、こちらを再開します。




