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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

テストステロン欠乏の後輩

作者: jackvaldy

「中学では吹奏楽部でした。クラリネットです。肺活量のためのランニングや腹筋などは練習にありましたが、本格的なものではなかったので筋肉がつかないのを不思議に思うことはありませんでした。

小さいころから友達の男子と比べて体は小柄な方でした。なので中学校卒業するまでちょっと成長遅いな、位にしか思ってなかったんです。でも高校に入って、さすがに陰毛がすごく薄かったり筋肉がつかなかったりしすぎなんじゃないかと心配になり、親に相談しました。心配した母の勧めで検査を受けたところ、男性ホルモンであるテストステロンが同じくらいの年の男子と比べて1割以下しか分泌されてないということでした。

……母は結構ショックを受けていたみたいでしたが、検査してくれた先生は筋肉がつきにくかったり性欲が少し少なかったりするだろうが子供もちゃんとつくれるし変な病気になったりはしないから大丈夫だと言ってくれました。それでも不安そうな顔をしていましたが、俺は医者の先生が言うなら大丈夫だろうと安心しました。

高校では逆に運動部に入ろうと思っていたんですが、この体質のこともあってかなり迷いました。さんざん悩んだ末に入ったのが英語で会話したり討論したりする部活でした。男女比は女子がちょっと多かったですが、ほぼ半々くらいでした。

2年の春に、先輩たちが卒業して俺たちが最高学年になったとき、同じ部活の2年の男子に告白されました。お前のことが好きだと。

正直、びっくりしてまともに答えれませんでした。男らしさが全然なくて(それが悩みだったんですが)、部活ではどちらかというと女子とよく話してたくらいですが、男から告白されるとは思いもしませんでした。

そいつとは結構仲が良かったし、時々ゲームソフトもって家に遊びに行くこともしたくらい親密でしたが自分は好きなのは女であって、そういうふうじゃないんだというふうに後日返事をしました。あいつも自分がホモセクシャルだと自覚していなかったらしく、(今はバイセクシャルだったんじゃないかと思ってます)自分でもよくわからないけど好きだみたいなことを言ってました。結局断ったんですが、そのあとちょっと距離ができてしまったのが残念に思います。卒業してからそいつとは連絡とってません。

告白を断ったのは同じ部活内に好きな女子がいたからです。もっとも、卒業するときに告って玉砕しましたけど。


そんで、ここの大学来て、このサークル入って、今に至るわけです。

先輩は俺が新入生だった時からずっと優しかったですよね。もう過去問とか楽な講義とか、こっちが聞く前から教えてくれて。そのことはめっちゃ感謝してます。おかげで全教科平均3余裕で超えれてます。

こんな風に先輩の家で二人で宅飲みするようになったのっていつからでしたっけ。……2年の夏くらい?

最近すごいよく先輩の家来ますけど、半分くらい一緒に生活してますよねこれ。

あ……。

先輩。……俺は自分が男が好きなのか女が好きなのか分かんないです。でもその、せ、先輩のことは好きです。

…………。

だからその、いいですよ……?」



半分同棲してるような後輩(男)が好きかもしれないので頬に手を添えてみた時に言われた言葉。

ホモ。


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