8話 人化
四神達のステータスはこうだ。
『シュイ』 状態:封印
<神種・ランク3>
<HP> 7000/7000
<MP> 10000/10000
<スキル>
<エクストラスキル>
【眷属】
【完全偽装】
<ユニークスキル>
【朱雀】
『シロ』 状態:封印解除
<神種・ランク3>
<HP> 9000/9000
<MP> 6000/6000
<スキル>
<エクストラスキル>
【眷属】
【完全偽装】
<ユニークスキル>
【白虎】
『クロ』 状態:封印
<神種・ランク3>
<HP> 7000/7000
<MP> 7000/7000
<スキル>
<エクストラスキル>
【眷属】
【完全偽装】
<ユニークスキル>
【玄武】
『セイ』 状態:封印
<神種・ランク3>
<HP> 11000/11000
<MP> 4000/4000
<スキル>
<エクストラスキル>
【眷属】
【完全偽装】
<ユニークスキル>
【青竜】
となっている。
(しかし、俺のステータスと比べるとえらい違いだな。
大抵こういう異世界に召喚される系って、俺がチートになるんじゃないのか?
比べてみると俺の能力は弱すぎるんじゃないだろうか)
俺と四神達のHPとMPを比べてみてもわかるが、HPはセイと比べると桁が違うし、MPは減ってしまっているので、シュイと同じになっている。
あと、身体能力に関しても俺はこの世界に来てあまり変化した実感はなかった。
今はランク3まで上がったので、もしかしたらHPとMPが上がっているみたいに少し強くなっているといいんだけど今のところ、身体能力が上がった実感がないので分からない。
そんな事を思いながら、次は四神達の<エクストラスキル>の【眷属】の効果も確認する。
ちなみにシロは俺がスキルを確認しているときに、MPがなくなったのか、元の小さくて可愛らしい姿に戻っている。
【眷属】主人が配下に自らの力の一部を与えることによって取得するスキル。原則として、主に絶対順守である。
[ランク1] 主のランクが上がる時に一緒にランクが上がる。
[ランク3]獣型から人型、人型から獣型に自由に変化できるようになる。
【眷属】の[ランク1]は、説明通り、主である俺がランクアップすると眷属達も一緒にランクアップするようで、逆に俺がランクアップしないと眷属達はいくら経験値を得てもランクアップはしないみたいだ。
しかし、そこは俺の【眷属化】の効果で眷属達の経験値はすべて俺に入るので問題はないだろう。
そして、[ランク3]の効果は人化することのできるスキルらしい。
俺は早速四神達にスキルを使ってもらうことにした。
四神達は頷き、その身体が光に包まれる。
「おぉー」
そこに現れたのは、4人の女性達だった。
まず、シュイとセイは身長の方は170㎝くらいだろうか俺とそんなに変わらない。
髪の方は、シュイが朱色で、セイが水色に近い青色、空色とでもいうのだろうか、それが腰のあたりまで伸びていてさらさらと揺れている。
どちらも雰囲気的にはお姉さんタイプでシュイはかなりのグラマー体系だが、セイはスレンダー美人とでもいうべきか。
服装は髪の色にあわせて、同じ色のワンピースを着ている。
次にシロとクロは身長が150cmあるかどうかぐらいで、髪の方は、肩のあたりまでの艶のある白髪と黒髪で、体型はどちらも成長途中の女の子って感じ。
服装はシロが動きやすそうな白を基調とした上着と、黒のラインが入った白のミニスカートで下には黒のスパッツをはいている。見た感じボーイッシュな感じだ。
クロは確か、ゴスロリって言ったかな、黒を基調としたヒラヒラのいっぱいついた服装だった。
少し眠そうな感じの顔付きをしていた。
4人とも日本では十人が十人振り返るほど美女、美少女だった。
それに髪の色は違うが、並んで歩いていると四姉妹だと思われてもおかしくないんじゃないだろうか?
そんな風に観察していると、四神達は俺の前に並んで膝をつき、
「「「「わが主よ、我らに何なりと御命令下さい」」」」
きれいな声でそういうと頭を下げてきた。
(えぇー、そうくるか。)
これから一緒に行動していくうえで、ずっとこの態度をとられていてはなんだか疲れそうだ。
それに、普通に人のいる所に行くつもりである俺にしては周りの目も気にしてしまう。
ただでさえ、容姿のいい4人だ。
それを俺みたいな男に対して、こんな態度をとっていたら何事かと思われるに違いない。
だから俺は、
「それでは、最初の命令を与える、俺とは普通に接してくれ」
そう言った俺に、セイが代表して、
「そうはいきません、我らは主によって召喚され、こうやって存在しています。主は主、我ら眷属とは格が違うのです。」
それに対して俺は、
「だが、お前たちは俺になんでも命令してくれと言ったよな。
俺はお前たちの事を眷属として扱うより、これから共にしていく仲間として接していきたいんだよ」
「しかし、それは……」
「まぁまぁ、いいじゃない、わたくし達の主がそうお望みなのだから私たちはそれに従うだけよ」
セイの言葉をさえぎってシュイがそう言う。
そして、シロが、
「そうだよ、セイ姉は固すぎるんだよ。あっ、それじゃあシロは主の事、コウ兄って呼んでいい?」
「シロ!あなたまで主に対して何を言うんですか!」
「いや、俺は別に構わないから、ほら俺の事は主じゃなくて、名前で呼んでほしいな」
「くっ、わかりました。ではコウキ………様で」
シュイは、
「それではわたくしもコウキ様と呼ばせてもらいますわ」
セイはまだ納得してないようだったが、それはおいおい直していけばいいだろう。
俺は最初にしゃべってから一言も話さないクロに向き直り、
「クロはどうなんだ?」
と聞いてみる。
「……、クロは、………にぃって呼ぶ……」
うん、クロはあまりしゃべるのが得意じゃないみたいだ。
「よし、これから俺たちは仲間だ。よろしく頼むな」
「よろしくお願いします」
「お願いしますわ」
「よろしく!」
「………よろしく……」
四神達にも性格はいろいろあるみたいだ。
俺は当初聞こうと思っていた事を思い出し、四神達に聞いてみた。
「あー、それで聞きたいことがあるんだが……。
この世界にについて知っていることがあれば教えてほしい」
そういった俺に対してセイが、
「申し訳ありません、私たちはあくまでコウキ様の記憶を元に生み出された存在ですので、コウキ様の知らないことは私たちにもわからないのです」
やはり、思っていた通りセイたちもこの世界の事はわからないみたいだ。
(さて、どうするか。ここはやっぱりEMスライムの言っていた方角に行って、人がいる所に行くべきか?)
そんな事を考えているとシロが、
「ねぇ、こいつに聞けばいいんじゃないかな?」
とEMスライムの死体?の方を向いてそういった。
すると、最後に真っ二つにした片割れがビクッと動いたのだった。
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