1話
西暦2015年 1月12日
「おい、翔!お前んとこいったぞ!」。
「うわわっ!」。
ズガッ。腹部にバスケットボールがクリーンヒットした。
それから数十分後…
「お前のせいで負けちまったじゃねーかよ!」。
俺の名前は真田翔で中学二年生だ。いつも通りダメダメな日常を送っていた。テストはいつも赤点ギリギリだし、スポーツは俺のいるチームはいつも負ける。家に帰ってもすることはマンガを読むか、PCゲームをするぐらいだ。いや、勿論宿題もしている。まぁ、ほとんどわからないが…。
「ただいま~」。とは言ったものの返事は無い。なぜかというと、俺は独りっ子で両親はどちらも仕事の為、あまり帰ってこない。というわけでいつも通りササッと夕食をカップ麺で済ませ、自室にこもる。そしてノートパソコンを開きいつもやっているゲームを始めた。
「さてと、今日は何のクエストにいこうかなぁ♪」。と悩んでいた。
「じゃあ、これにしようか」。とPCの右端に出てきた。このゲームはどうやらチャットを使い、ネット上の仲間と話し合えるのだ。
そして翔はそれに対し「おけ」と返す。
そして数時間がたった頃、
「ふぅ、今日は終わりにするか。」と翔がコメントすると、相手も同感だったらしく「そうだな」と返ってきた。しかし既に時刻はもう夜中の一時を回っている。そして電気を消して布団の中にもぐりこもうとした。だがその時、ガンッという大きな音がした。何の音だと思い翔は辺りを見回した。しかし特に異常は見られない。気のせいかと思いふと一息ついたとき、またものすごい音がしたのだ。しかもこんどはガガガガッと連続的に鳴った。すると壁に紫色の巨大な穴が出現した。
「な、なんだっ!」。
翔はその穴に引き込まれていく。
「うわあぁぁぁぁ!」。
「ううっ、ここはどこだ?」。
ものすごく太陽が照りつけている。
「こんな真冬にカンカン照りなんてどうなってんだよ」。
そうしゃべっていると横から妙な声が聞こえた。
「やった起きたか」。
「うわっ誰だっ!。このジジィ」。
「ジジイとはなんじゃ、ジジイとは!」。
「てか、どうなってんだよこれ?」。
「そうか、まだお主に知らせてなかったのぅ。わしの名はウーダじゃ、そしてここは平和の国ラペズマンじゃ」。
「ラペズマン?、なんだそりゃ?」。
「おぬし達、人間の世界とはまた別の世界じゃ。しかし、人間も暮らしておる。まぁ、要するに異世界じゃ。人間界で言うゲーム見たいなもんじゃ」。
「いや、納得できないすけど!」。
「しょうがない奴じゃのう。長くなるぞ」。
この世界、ラペズマンは昔からずっと平和だった。誰もが不自由なく生活していた。しかしそんなある日、1人の男が不自然な扉を見つけた。その男は好奇心に駆られその扉を開けてしまった。するとこには全く知らない世界があった。そうそれこそが人間界だったのだ。そこにはこの国にないものがたくさんあった。ゲームやテレビそして、悪…。そうこの国に初めて悪が入って来たのだ。そこから国の人々は変わってしまった。己の欲望により相手を傷つけ合い、争いが起こった。そしてそれを止めることは出来なかった。しかしそんなある日、人間界の奴もこちらにつながる扉を見つけたものがいた。それまで人間は悪そのものだと思っていたので、非常に恐れられた。しかしそのものは一緒に争いを止めようといった。そこで人間も善と悪がいることが分かり、悪と善を知っている人間をこちらに呼び込み戦力にした。そこからアペズマンと人間界の交流は始まった。
「という訳じゃ」。
「争いはまだあるのか?」。
「ああ、争いと言えるものはその昔来た人間により治められた。しかし悪はもう根付いてしまい、喧嘩や犯罪はある。つまりいつ争いが起きてもおかしくない。というわけじゃ」。
「なるほどねえ~って!その前になんで俺が連れてこられたんだよ!」。
「それは再び争いが起きるからじゃ、お前さんがふさわしい勇者だからじゃ」。
「なんで俺なんだ?」。
「お前さんには隠された才能があるからじゃ」。
「へぇ、なんか燃えてきたーー!」。
「まぁ、そのために修行を積んでもらうがな」。
「え、今すぐじゃないのかよ」。
「当たり前じゃろ」。
「でも俺帰んないと」。
「心配するな、ここで何年、何十年過ごそうと一分しか、変わらんのじゃ」。
「へぇ、そうなのか」。
「それじゃ、改めて言わしてもらうぞ」。
「?」。
「ようこそ、アペズマンへ」。
続く