タカラモノ。
男性同士のカップル、俗に言うボーイズラブ小説です。
ボーイズラブに偏見がある、ボーイズラブが苦手、という方は
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大丈夫、どんとこい、という方のみドウゾ。
小さな頃。
離した途端に不安になって、僕は何度も君に指きりをせがんだね。
紅い夕焼けをあびて。
二人手を繋いで、いつも一緒に帰った。
君を離したくなくて。
君に離されたくなくて。
僕は、ぎゅっと君の手を握っていた。
―――多分、その時から僕はもう知ってたんだ。
君とは、ずっと一緒にいられないという事。
いつか、君は離れて行ってしまうという事。
君には空を飛ぶ大きな翼があって。
僕はいつもそれが眩しかった。
キラキラ輝いていて、とても綺麗だった。
僕は君が大好きだった。
君も僕が大好きだった。
二人は仲良しだった。
ずっと一緒にいようね。
幼い声、幼い言葉で何度も小指をつなげて。
君は僕を愛していた。
僕は君に恋していた。
それが君と僕との気持の違い。
それが君は知らない僕の秘密。
君が大空にはばたいて行くのを、僕はただみている事しかできなくて。
君が大空にはばたいて行く瞬間を、僕はただ見とれている事しかできなくて。
僕に、君を止める事は出来ないから。
止めるなんて事、しないから。
一つだけ。
一つだけ、僕に君のその綺麗な羽を下さい。
僕は、君のその綺麗な翼に疵を作った。
小さな、小さな疵を作った。
ごめんね、君を傷つけて。
でも、君はもうすぐ居なくなってしまうから。
どうしても、欲しかったんだごめんね。
ごめんね。
でも、今僕は凄く嬉しいんだ。
泣きそうなくらいに幸せなんだ。ごめんね。
君はきっと忘れてしまう。
僕が作った些細な傷の事なんて忘れてしまう。
君はいずれ忘れてしまう。
僕の事なんて忘れてしまう。
いいんだ。
それでも、僕はいいんだ。
僕は、君の事を覚えているから。
僕が、君の事を忘れないから。
それでいいんだ。
僕は君を恨まない。
僕は君を欲しない。
僕は君を引き留めない。
だからどうか。想う事だけ、許して下さい。
君のように綺麗な空を、ひっそりと、地上から見上げる事だけ許して下さい。
あの日君から千切った羽は、僕の宝物。
そっと、胸に抱きしめて。
幼い頃の風景を、何度も何度も頭に描く。
僕は、貴方が大好きです。
稚拙な文章に最後までお付き合い下さいまして有難うございました*_ _))
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