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レリジョン  作者: SCA
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Prolog

この小説に登場する宗教観、歴史、人物、地名などは名称が同じでも別物と考えてください、結構いじりますので。

 三歳児神話というのがある、詳しいことは分からないが子供は三歳頃まで母親の手元で育てないとその子供に悪い影響があるという考えだ。

 しかし、実際のところ親の居ない子供などざらにいるだろう。

 その子ども達の全員に悪い影響があるというのはなんとなく釈然としない。

 確かに親が居ないというのは不便なのかもしれない。

 お金や愛情というものを無償で与えてくれる者はただ守られるだけの子どもには必要だろう。

 しかし、何も親だけに与えられなくちゃ駄目というものではないと思う。

 あるいは親戚のおじさん、おばさんに、あるいは兄や姉に。

 自分自身もものごころの付く前から親の居ない身だが親戚の家でそれなりに楽しく過ごしていたし、不便を感じた覚えは無い。

 だから今の俺のあり方は全て自業自得なのだろう。

 本来ならば冷静に考えることなどできない状況だというのに俺は冷静に現状について思考する余裕すらある、それは人としては異常なのだろうか。

 普通の人ならば明らかに取り乱さずにはいられない、取り乱さなくてはならないのに。

 もしくはこの異常な環境に脳がついていけなくて、オーバーフローしているのかもしれない。

 いや、それは願望だろう、俺が普通でありたいと思っているからそのようなことを考えてしまうのだ。

 でなければ、”人が死んでる”という状況下で・・・否”人を殺してしまった”という状況下でこんな極上の笑みを浮かべれるわけないのだから。

 

◇◆◇◆◇◆◇


 俺こと奥村 一哉  (おくむら かずや)は怠惰こそが我が人生と考えている人間である。

 一応大学は出たがやりたいことがあるわけでもないし金は死んだ親の残した財産を食いつぶして生きていこうと思っていたら世話焼きの叔母にそんなつもりなら母の使っていた平屋の管理をして欲しいと頼まれたのだ。

 基本的に流されるまま生きてきた俺には楽できそうな条件を出してくれた叔母に承諾の連絡を入れるのに逡巡することは無かった。

 そうゆう訳で、奥村一哉は祖母の自宅をそのまま受け継いだ形で、気楽な1人暮らしを始めたのである。

 基本的に俺は金に困っていない、だがさすがにこのまま無職というのも世間体がよろしくない。

 とりあえずアルバイトでも何でもするかと情報誌を探したがそれも俺の厳しい条件に見合う仕事は無く5分で飽きがきて10分後には眠気が襲ってきた。

 このまま眠ってしまっても良いのだがさすがにまだ昼ごろだ今寝てしまうのは体にも精神的にもよくない、ある程度苦労がないと達成感が沸かないように怠惰もある程度の勤労が無いとありがたみが無いのだから。

 職も見つからずやることも無い、それなら久しぶりに知人に会いに行くのもいいだろうあの得体の知れない女なら案外職のツテもあるかもしれないし。

 「よしっ、行くか」

 メリハリをつけるのも怠惰を楽しむには必要だしさっさと行って職でも斡旋してもらおう。


◇◆◇◆◇◆◇


 最近異常な事件という者が多くなっている、いやその表現は正しくない。

 正しくは異常な死に方が多くなり、多くの死因が生まれてきたのだから。

 その代表格というのならばこれだろう。

 『謎の抱きつき魔事件』


 まるで3流ゴシップ記事にセクハラの見本として載っていそうな通称ではあるが、犠牲者が30人以上出ているという現実に存在する事件であった。

 これはセクハラの事件ではなく被害者の全てが死んでいるという殺人事件である。

 この事件は三つの特徴を持っていた。


 一つ目は犠牲者がほぼ毎日出ているということだ。

 犠牲者は決まって日に1回出ている。


 二つ目は日本各地で起きていること。

 まるで通りすがりにたまたま選ばれているみたいに犠牲者は日本各地から出た。

 犠牲者同士の関連もない。


 これらの二つの特徴を見るとこの事件は何者かの犯行であるように思える。


 だが三つ目の特徴が疑問を生む。


 それは死因が衰弱死ということだ。

 これは現在の科学技術では再現することの出来ない犠牲者の死に方であった。

 もし人為的な犯行であるというのならば、科学的に立証されるものであるはずだ。

 そのため犯人は新しい毒や病原菌でも開発したのだろうかと、そんなうそ臭い可能性も真剣に考えられてた。

 しかし最近は関東地方でのみこの事件は起こるようになった。

 そしてまるで探るように被害者の出る地域はだんだんと狭まっていった。

 そしてまるで安住の地を見つけたかのようにこの在処市ありかし居座るようになったのである。


 ところでこの衰弱死事件が本来病死なのか人為的な殺人かどうか分かるわけないのだがなぜか噂では病死ではなく謎の抱きつき魔という人為的なものだと呼ばれているのか。

 なぜならこの死因の被害者には一つだけ残されていた共通点があったのだ。


『まるで万力のような力で抱きしめられたような痣がある』と……。


 


作者の処女作ですので至らないところもあると思いますがよろしくお願いいたします。

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