『プレスマン好きな狸の和尚さん』
掲載日:2026/07/12
とあるお寺の裏山に、狸が住んでいて、高齢の和尚さんに化けて、和尚さんのかわりに檀家のもとを訪れたりしていました。普通、お寺の和尚さんが檀家さんを訪れるというと、御膳を用意したりするものですが、露骨に生臭物を供するわけにもいかないので、ほぼ精進料理になりがちなのですが、この和尚さんは、中身は狸なので、精進料理に興味はなく、事前に御膳を断るので、面倒がない、と、檀家さんには人気が高いのでした。お布施も、現金だと受け取らず、どういうわけか、光るものが好きなようで、プレスマンの先っぽの金属部分には、あやしいほど敏感に反応するのでした。
この、狸の和尚さんが、ある檀家さんの家で、犬に吠えられて、正体をあらわしてしまいました。普通なら、捕まえられて、痛い目に遭わされるところですが、よく考えると、和尚さんに化けてはいるものの、何も悪いことをしていないので、誰も捕まえようとせず、その後は堂々と、しっぽを出しながら檀家を訪れるようになったということです。
教訓:本物を名乗らず、悪さもしないならば、とっちめる必要がない。物まね芸人と同じである。




