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第1話 超ウルトラ最っ高唐揚げメーカー

くしゅ、ぷしっ。

風邪って、ツラいですよね。

絶賛現在進行形で風邪をひいて、ベットにインしております。小島です。

ですが、小説を書く手は止めないので、これからもよろしくお願いしますっ!

「エル・フレミア。仕事ができました」

半透明の泡のテントの中。

美少女と、美青年が向かい合って座っていた。


「それで?」

単刀直入に告げられ、少女──エルは小首をかしげて尋ねた。


「問題教会の観察です」

問題教会の観察を天使が行う。

そんなこと、前代未聞だ。


問題教会だからといって天使が観察に行けば、

他の教会も「うちにも来てほしい!」と騒ぎ出す。

当然、それで評価を上げようとする教会も出てくる。


そんなこと、この青年──アルスも分かっているはずだ。

「そ、そんなの前代未聞でふ!」

慌てすぎて噛んだエルを見て、アルスはこめかみを押さえた。


「ええ、私も全力で否定しましたよ」

「なら、何でっなのです?」

身を乗り出すエルを片手で制し、アルスは口を開いた。


「その教会が、あまりにも“ヤバすぎる”からです。

 ……あと、他の天使たちは“変装すればバレないじゃない!”

 “いいアイデアね!”だ、そうで」


他の天使とは──攻撃、防御、付与、娯楽、法律の天使たちのことだ。

そしてエルは幻の天使、アルスは誓いの天使である。


「そういうと思って、付与と娯楽の天使からあなたに贈り物が」

そう言ってアルスは呪文を唱え、小さな箱を生み出した。


「“超ウルトラ最っ高唐揚げメーカー”だそうです。魔力を注ぐと、いくらでもホカホカ美味しい唐揚げを作れるとか。任務を受けるなら、あげると」

その言葉に、エルの瞳がランランと輝いた。


彼女は、大の唐揚げ好きなのだ。

(唐揚げ……製造機……!)

「うぬぬ……」


「何故、この仕事が私に?」

「あなた、前回の七天羽会議をサボったでしょう? それで押し付けられたんですよ」

七天羽とは、7人の天使の総称のことである。


エルは、また、うぬぬ…と呻いた。

それは確かにそうだった。

会議なんかより、幻で遊ぼう〜と思っていたのだ。


「わ、わかっ、わかりましたっ! 引き受けますっ!」

エルは、勢いよくそう言った。

その返事に、アルスはキュッと目を細める。


「では──誓いの天使アルスの名のもと、交渉成立ということで」

エルは、小さく頷いた。


「では、出発の準備をしましょう」

アルスが、そういうとエルは「もうですかっ?」と目を丸くした。

「えぇ。善は急げといいますでしょう?」

「それはそうですけど……急がば回れとも…」

ブツブツ言うエルを無視して、アルスさんはコートを魔法で作り出した。


「はい。あなたのです」

アルスは、魔法でつくったライトグリーンのコートをエルに渡した。

ふかふかで、温かそうなコートだ。


「今から、あなたは親に見捨てられ、教会なら引き取ってくれるだろうと教会の前に置いてかれた可哀想な少女のエルです。いいですね。」

「わぁお。風邪引きそうなんですが?」

今も、外では雪がこんこんと降っている。


「あなたは、貧民の出ですよ?風邪引くなんてよくあります」

アルスが一刀両断する。


「なら、このコートもおかしいのでは?」

エルがコートを指さし、そう指摘した。

「なら、コート没収しましようか。」

「いや、そんなことないですっ!」

エルは、さっき言った言葉を訂正した。


「他の衣類は、後で魔法で作っといてください」

「わ、わかりました…」

「持っていくのは必要最低限のものだけですよ。そんな歴史書、持ってる貧民はいません。あなたはポンコツですね。」

「ひんっ」

アルスに、ポンコツと呼ばれ、エルは小さく悲鳴をあげた。


「では、行きましょうか。」

バタバタと、支度をすると2人はテントから出て、クレーンの街に向かったのだった。



「わぁ、アルスさん。焼き鳥ですっ」

クレーンの街の大通りの市場。

そこかしこから、呼び込みの声が聞こえてくる。


白い息を吐きながら、エルはアルスのコートの袖を引っ張った。

「はい?」

そう言って、アルスは後ろを振り向いた。


そして、焼鳥を出している屋台を見て、しばし考えると「まぁ、これから、教会に置いてかれるポンコツのために買ってあげますか。」と、財布から銅貨を2枚取り出した。

もう、ポンコツ呼びが定着してしまっている。


「焼き鳥2つ」

そう言って、アルスは店のおじさんに銅貨を2枚渡した。

「まいどぉ!」

そう言って、おじさんは焼き鳥を焼き出した。


「うちは、秘伝のソースを使ってるからな。美味しいぞ。」

2分ほど焼くと、おじさんは焼き鳥を渡してくれた。

「ありがとうございます。」

そう言って、笑みを浮かべ、アルスはエルに向きなおった。


「はい。あなたの分です」

エルは差し出された焼き鳥を貰うと、はむっと頬張った。

おじさんの言う通り、甘辛じょっぱいソースと炭火で焼かれたお肉がとても美味しい。


「おいひいでふ、あるふしゃん!」

はふはふ言いながら、エルがそう言うとアルスも焼き鳥を齧った。

「確かに美味しいですね」

そう言って、アルスは、もう1口食べた。


アルスはバカにしたような目でエルを見て

「口にソースが付いてます、ポン」と、ハンカチを差し出した。

ポンコツを略して、ポンになったようだ。

「あ、ありがとう、御座います」

「えぇ。これは、私の広き心ゆえにできることで…」

そうドヤ顔で言うアルスに、エルは少し引いたのだった。



おまけ

屋台のおじさんは、焼き鳥を注文していった2人を眺めていた。

あれは絶対、恋人だなぁ。頑張れよ、という温かい目で。

2人とも、美男美女だった。

おじさんは、伸びをして店をたたむと銅貨2枚を握りしめた。

(俺も、何か買おっと)

次回は、遂に問題教会に潜入します。

(ほんとにこれネタバレじゃ無いよね?)

この2人が、中心となってこの物語は進んでいきます。

幻を創る者 エルってかっこいいです。

幻で是非とも、勉強をサボりたいものです。

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