プロローグ 突然の侵入からの始まり
お初にお目にかかりますっ。
小島ことりでございます。
今回、初Web投稿サイトということで、わくわく誠心誠意心を込めて描きました!
(おぅ……)
この世界には、七人の天使が存在する。
一人ひとりが一国を滅ぼす力を持っており、人々は決して天使に手出しをしなかった。
特に、天使の中でも《幻の天使》だけは、怒らせてはいけないと賢い者たちは知っていた。
他の六人は、ドラゴン退治にふらりと現れることもあったが、幻の天使は――
魔王討伐ほどの大事でない限り、決して姿を見せなかった。
人々は囁いた。
それは、ドラゴンなどでは相手にならないからだと。
やがて《幻の天使》は、伝説として語られる存在となっていった。
見渡すかぎりの草原に、ぽつんと半透明の泡のようなものがひとつあった。
そこから、陽気な鼻歌が聞こえてくる。
夜の空を、月と星がやさしく照らしている。
泡のようなそれは、月光を受けてきらきらと光った。
中には、白いふかふかのベッドと、ラタンの小さなテーブル。まるで信頼できる者の手のひらに包まれているような、心休まる空間だ。
この泡のようなテントの中では、空一面に散りばめられた星を独り占めにできる。
淡い紫がかった白い髪を三つ編みにした少女が、綺麗なオッドアイの瞳を輝かせ、ティーポットでお茶を注いでいた。
その四脚はとても華奢で、今にも折れてしまいそうに見える。
ふわぁっと、甘い香りがテントの中に広がる。
少女が小さく呟くと、突然高級そうな皿に乗ったシフォンケーキが現れた。
魔法、というヤツである。
少女は、お茶とシフォンケーキをテーブルに置いた。
そして、ふわりとシスター服を揺らしながら椅子に腰を下ろし、本を開く。
そのおっとりとした仕草が、少女の可憐さをいっそう際立たせていた。
シフォンケーキをひと口。
ふわふわで、口の中で溶けるよう。
甘い味がいっぱいに広がり、少女は頬に手を当てて、幸せそうに微笑んだ。
やがて彼女はまた本へと視線を戻す。
読んでいるのはメルヘンチックな物語ではなく、歴史書だ。
その幼い顔立ちには似つかわしくない。
たまに額に手を当てて「やっちゃった……」という顔をする。
何故、歴史書を読んでその反応をするのかは分からないが、その美貌は普通の男性なら思わず見惚れてしまうだろう。
夜空を流れ星が踊るように軽やかに走り去る。
静かな夜が、ゆっくりと過ぎていく。
やがて深夜になり、少女は眠り始めた。
ポトン、と本がテーブルに落ちる。
食べかけのシフォンケーキの皿には、フォークが添えられたまま。
少女はこっくりこっくりと、深い眠りについたのだった。
ー次の日ー
鳥がさえずり、爽やかな風が吹く。
気持ちの良い朝が始まろうとしていた。
そして――
テントの中に、とんでもない美貌の男が立っていた。
綺麗なカスタード色の髪を右側だけ三つ編みにし、長く垂らしている。
「《幻の天使》朝です」
その声には圧があった。
男は口の端をわずかに上げる。
――静かな朝に、風が揺れた。
次回は、この謎の男の侵入理由に物語が動き始めます。
(ね、ネタバレ?)
( * ॑꒳ ॑*)頑張ります。
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