第6話 封印されし井戸の謎 中編
登場人物紹介
間宮 涼華 天然女子高生
井上 千夏 ツッコミ女子高生
早瀬 千夏の部活の先輩
影山小百合 踊り場の大鏡に封印された学生
松山 遥 校舎屋上で窒息死した学生
土屋加奈枝 焼却炉で焼死した学生
バルコ 飼育小屋にいるフェレット。
お札で会話できるようになる。
*登場する名称等は全てフィクションです。
飼育委員になった涼華と千夏。
飼育小屋で動物の世話をするとき、しゃべるフェレットバルコと出会う。
バルコの異変の原因が井戸にあると掴んだ2人は詳細を調べる為に資料館で調べる。
過去にあった井戸にまつわる事件を確認した2人であったが、何故そんな所に小屋を建てたのか?
担任によると教頭が関わっているようだが…。
「千夏、教頭に聞きに行こうよ。」
「ちょっと待って、涼華。」
「どしたん?千夏。」
いきなり聞いても、もう少し調べた後じゃないとしらばっくれて終わりになるよ。
「涼華、もう少し証拠を集めよう。今行ってもスルーされたら終わりだよ。」
「千夏っちゃん、冴えてるねぇ。」
アンタが天然なだけでしょ。
放課後、飼育小屋で全員で作戦会議だ。
「小百合さん、バルコの面倒ありがとうございます。」
「それは大丈夫だけど、何か分かった?」
「どうやら井戸では何人か亡くなっているようです。」
「そういや、お仲間のいる感じするなぁ加奈枝ちゃん。」
「そうですね、遥さん。」
「お二人にはこの近くの霊の存在が分かるんですか?」
「この近くっていうか、ここにいるけど。」
「ねぇ、一緒にさっきから話聞いてますよ。」
なにー!知らんメンバーがいるだと!
いやいやそうじゃない。
「やはり井戸で亡くなった方ですよね。何か聞けますか?」
今はどんな情報でも必要だ。
「何かお困りみたいですね。」
「ちょっと待ってな。話せるようにするから。」
遥さんと加奈枝さんが何か分からん行動をしている。
すると、誰か分からんが姿が見えた。
「あなたは?」
「私はこの井戸で最初に死んだ三上玲子と言います。」
「三上さん、あなたと一緒に後2人亡くなりましたよね。」
「はい、当時私と友人2人でこの井戸の伝説を調べていました。」
井戸の伝説?また大層な感じになってきましたな。
「どんな伝説なんでしょうか。」
「それでは、長くなりますがお話しします。」
いやー、マジで長かったな。
長過ぎて寝そうになったよ。
少し整理して考えよう。
この井戸は生活用水としても利用していたから、住人にとっては必要だし、いつしか信仰の対象みたいになった。お井戸様的な。
そうなると、何故か色んな噂とか出てきて、願いが叶う井戸みたいな話になる。
祈願する住人が増えれば、悪用しようとする者も現れ、井戸の力を私利私欲で自分だけの物にしようとする奴もいた。
そんな時、三上さん達3人は井戸に不思議な力があるか調べようとした。
別に個人的に使う訳ではなく、純粋に研究対象として。
でも、調査したくても共用施設となると勝手にやる訳にもいかない。
そこで、3人は学校の教頭に説明し、調査をする許可をもらえないか相談したらしい。
教頭は町の役所と交渉して、何とか調査出来ることになった。
最初は調べても何も無かったみたいだけど、続けていくうちに少しずつ変化があったんだって。
どうやら、井戸の不思議な力は月の満ち欠けに関係することが分かった。
3人は喜んで教頭に報告したんだって。
そして事件の日、3人と教頭は井戸で検証する為、集まり暫く調べていたけど、急に教頭がおかしくなって3人を井戸に突き落としたということだ。
「三上さん達3人を殺したのは教頭ということですね。」
「確かに教頭は私達を井戸に突き落としましたが、あれは人間の力では不可能です。」
「すると、何か得体の知らないものが教頭の体を使ってしたって感じですね。」
「私の友人2人は霊となりましたが、何年かして井戸の上に吸われて消えてしまいました。辛うじて私だけ何とか残れましたが…。」
「最初に亡くなった3人以外にも井戸で亡くなった人がいると聞きました。」
「後から何人か井戸に突き落とされ、私達と共にいた霊の方々も友人同様吸われました。」
なんか、見えて来たみたい。
「三上さん、今井戸の中にいる霊は何人ですか?」
「今は私だけです。」
証言をもう少し欲しかったが、仕方ないかな。
「あのー、私多分重要なこと聞いちゃったかもです。」
「小百合さん、何か聞いたんですか?」
「私、鏡に閉じ込められた後外側で、井戸がなんたらって言っているの聞きました。」
「それって、鏡から出して井戸に突き落とすとかですかね。」
「そうそう、言った言葉そうです。」
どうやら、この井戸にまつわる事件の全貌が見えて来たな。
「千夏ちゃん、顔こわいー。」
「涼華、今考え事してるから。」
「名探偵千夏ちゃんだね。」
うーん、悪くないって、そういう場合じゃない。
「涼華、どうやら黒幕の正体見えて来たみたい。」
「じゃ、次回に続くだね。」
「へっ?何で?」
「よくドラマであるじゃん。」
「何が?」
「いい所で来週見てねみたいな…。」
おいおい、後少しでクライマックスなのよ。
そんなん引っ張ってどうすんの。
「涼華、しょうもない事言ってないで説明するよ。」
「謎解きは夕飯の後にしよ。」
はっ?
「お腹空いちゃった。面倒くさいことは明日にして帰ろうよ、千夏ちゃん。」
ちょっと待てー!何か後少しで終わりそうなのに、このこったら…。
第7話(最終話) 予告
ついに学園最大の謎が判明!
全ての事件が解かれる時涼華と千夏に最後の試練が!
次回「封印されし井戸の謎 後編」
いよいよクライマックスです。
次回の涼華と千夏の活躍?!にこうご期待。