第2話 摩訶不思議な屋上の謎?!
登場人物紹介
間宮涼華 天然女子高生
井上千夏 ツッコミ女子高生
早瀬 千夏の先輩
*登場する名称は全てフィクションです。
いつものようにお昼の弁当を食べようとした時だった。
「涼華、たまには屋上でお昼にしない?」
千夏ナイス。
「いいね、屋上。今日晴れてるし。」
早速校舎屋上に向かう。
よく学園ドラマで定番の屋上弁当。
「こういうの、憧れだよね。」
「早速食べよっか。」
あれ?
「どしたん?涼華…。」
「箸、忘れた...。」
いつも肝心なトコでこうなんだよな…。
「そんな事だと思ったよ。はい、割り箸。」
「千夏、ナイスアシスト!」
「あたしゃあんたの保護者じゃないからね。」
やっぱ青空の下の弁当は旨いな。
そんなこと考えながら食べてる時だった。
急に千夏が叫ぶ!
「涼華、あれ何?」
へっ?アレとは?
よく見ると屋上の端に黒いモヤみたいなのが見える。
「雨雲かな?」
「涼華!ボケてる場合じゃないわよ。」
確かにそうだ。
こんな所に雨雲とか無い。じゃナニ?
「あれ何かな?」
「そう言えば、こんなベスポジなのに弁当食べてる生徒誰もいないの変じゃない?」
確かに、そうだよね。
「ベスポジ独占ですな、千夏どの。」
「相変わらずね、涼華。今日も天然絶好調。」
「いやー、それ程でも…。」
「褒めてないって…。」
ふと見ると黒いモヤは消えていた。
「何だったんだろ、アレ?」
「後で早瀬先輩に聞いてみる。」
「お願い千夏。」
詳しい話は明日にして、とりあえずお弁当たべよ。
翌日。
「千夏、屋上の件聞いた?」
「涼華、アレマジヤバだよ。」
千夏が慌てている。
「やっぱ雨雲なのかな?」
「ボケてる場合じゃないのよ。」
昨日の放課後、千夏は部活の先輩早瀬さんから、屋上に関する話を聞いたみたい。
「涼華よく聞いて。多分アレ地縛霊。」
「何?自爆すんの?」
千夏マジだ、スルーしてる。
「何年か前、イジメにあった生徒が屋上から飛び下りて死んだんだって。」
「暫くは特に何もなかったみたいだけど、数年後その子の幽霊が出始めたらしいよ。」
「あの黒いモヤはその亡くなった生徒の霊なの?」
「先輩たちも屋上で弁当食べたいらしいけど、そんなのが出るんじゃ近づけないみたいだよ。」
「そう。なら今日もお昼、屋上で食べよ。」
「涼華聞いてた?出るの幽霊!私は怖いよ...。」
「でも、その霊って襲ってくるの?」
「それは…、分からない。」
「じゃ、その幽霊さんと話してみよ。」
「何でアンタはそうなの!でも、行ってみるか。」
お昼になり、2人は屋上へ。
「涼華、しっかりお弁当持っていくんだ…。」
「腹が減っては奥さんになれずってね。」
「それを言うなら、腹が減っては戦にならずね。」
千夏、私を見捨てないで…。
昨日のモヤの場所を確認する。
今のところ変化は無い。
「じゃ、お弁当にしよっか。」
その時だった。
黒いモヤが現れ、モヤが大きくなる。
「千夏、出たみたい。」
「涼華どうすんの?」
「一緒にお弁当食べたいのかな?」
「そんな訳あるかい!」
千夏が突っ込む。
いや待てよ。昨日も今日もお弁当のタイミングで現れたな。お腹空いてる?
「ねえねえ、幽霊さん。」
何か涼華が弁当持って幽霊近づいてるんですけど。
「一緒に食べる?」
おいおい、幽霊とランチするヤツ見たことないぞ。
何かあのモヤ、まんざらではなさそうだぞ?
天然は幽霊さえもダチなんか…。
「涼華…、大丈夫?」
「千夏も一緒に3人で食べよ。」
しかし、何か未練あるからこんなことになってんだよね。どないすんの?
「その幽霊さんとコミュニケーションとれんの?私無理だよ…。」
『すいません、コミュ障で…。』
えっ、話した?誰?
『私は2年前にここで死んだ松山遥と言います。』
「松山さんは卵焼き好き?」
今、弁当はどうでもいい!話聞け、話!
「あの、松山さんはどうしてここに?」
『あの頃私は友達とよく屋上ランチしてました。』
「やっぱランチは屋上に限るよね。」
「涼華!暫く黙って聞きなさい!」
「千夏ちゃーん、そんなに怒らんでも…。」
コイツ普段から人の話聞かんからなぁ。
「すいません、松山さん。屋上で何かあったんですね。」
『はい、あの日もいつものように友達とお弁当を食べている時でした。』
「お弁当こぼしちゃったの?」
そんな訳あるかい!どこまでボケとんじゃい!
『はい、お弁当をこぼしました。』
こぼしたんかい!
どいつもこいつもボケだらけじゃな。
「それと霊になるのにどういう関係が?」
『友達が、こぼしたお弁当を拾おうとした時、誤って手摺を乗り越えて落ちてしまいました。』
「それが自殺と見られた転落事故やな。」
あれ?この人は落ちてないんだよね?
「えっと、松山さんは転落してませんよね。」
『はい、私は屋上にいました。』
はて?何でこの人霊になっちゃった?
「何で松山さん、こんなことになったんですか?」
『友達を助けようとしたんですが、お弁当が残っていたんで食べ急ぎすぎて窒息死しました。』
何?コイツも涼華に負けず劣らずの天然か。
「え?ご飯喉に詰まらせて死んじゃったんですか?」
『そうですが、何か。』
何かじゃあないんだよ、何かじゃ。
何か馬鹿馬鹿しくなって来た。
亡くなった松山さんは可哀想な気がするが、原因がねぇ…。
「松山さん、これからも一緒にランチしようよ。」
『いいですねぇ、涼華さん。楽しみだなぁ。』
天然同士よく気が合うんだな…。
それから涼華と千夏と遥さんとの屋上ランチが始まった。いつものベスポジで…。
第3話 予告
校舎裏にある焼却炉、いつも何か燃やしてる…と思ったら、何アノ煙?人の形してんですけど…!
次回 「妖煙?!焼却炉の謎?」
ランチタイム楽しみですね。何か食べてると幸せ感じる作者でした。
次回もお楽しみに。