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刹那的生に何を見る。
-祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり-
その一節が胸に刺さる。
人生は浮世の一瞬だけ。
その一瞬に何を見る。
希望か、絶望か。
留まることは許されない。
遠心力が連れてゆく。
桜が散るように人も散る。
桜の価値は、終わり方だろうから。
私はどう終わるのだろう。
舞い散る桜よ、何を見た。
ただ一つだけ教えてくれ。
桜は黙ったまま、流れてゆく。
時の海に沈みゆく。
恐怖も未練もない。
遠心力に身を任せ、本質に生きた。
問いが生まれ、解が出る、その繰り返し。
わからないということだけを知った。
人生の短さに嘆きつつ。
穏やかに桜の夢を見た。