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孤独に沈む
老人の話し声に耳を塞ぐ。
布団の中で朽ちてゆく。
そんな昼下がり。
世界は絶望と残酷さに満ちている。
闇にちょっと触れた。
私は、拒んで、弾かれた。
もう傷つかない、毒は回る。
私は落第者。
何を間違った、わからない。
空っぽなのに、哀痛に沈む。
風が窓から入り込む。
雨が降ってきた。
部屋は空虚なものに満たされる。
なのに、涙が流れる。
そんな夜に救いはない。
布団がカビ臭い。
体が汚いような気がして嫌悪する。
絶対に折れないものがほしい。
ただ、ただ、生き方一つ与えてほしい。
そんなもの、有りもしないのに。
カーテンが靡いている。
寒いのに何もしない。
そんな深夜の病。
青白い光で目が覚める。
目覚めは不快。
人は無意識の状態が正常だ。
だから、死は救いだ。
カラカラな心に勇気は存在しない。
体にカビが蝕む。
朽ちて、朽ちて、朽ちて、消えてゆきたい。
東から光が現れる。
すべてを朱色に塗り替える。
美しくて、美しくて、それだけもう。
硬い心に何かが芽生える。
世界に触れたくなる。
心の病が見えなくなる。
ただ、朝日に照らされただけなのに。