表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

夕景に落下する

夕景に響いている蜩は、どこか(ほろ)びの歌に聞こえる。

貴方は呟くように言った。

自己の性質に、首を絞められている貴方の諦観(ていかん)の言葉。

わたしは、そんな貴方を世界から連れ出す。

決意は目を通して渡され、夕焼けみたいな表情の貴方が首肯する。

色白な小さな手に、私の手を、重ねて、絡める。

朱色に染まる世界に、2つのスカートが揺れる。

ゆらり、ゆらり、舞う少女。


不良少女が二人、どう生きる。

滅びの歌が鳴り続く。

不良なのは世の中であると二人っきりで叫ぶ。

滅びの歌は、遠くで鳴っている。

走る、走る、走る、走る、走る。

滅びの歌は、どんどん遠くなる。

丘に出る、道が開ける、朱色の光がさす。

その光に、崇高(すうこう)な魂が2つ、飛び込んでいく。

天国へ落下する、手を絡めたまま。

滅びの歌が、また近くで鳴り始める。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ