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子供達と神々の神楽 ~序の章~  作者: 東 蒼汰
序幕
3/26

子供達の日常

 きょうぐんきたちいさなやましずやまちゅうふくへいしょうがっこうしずしょうがっこう


 そのしょうがっこうげんかんまえひろ

 こうないえられたサクラからはなびらり、そのはなびらなかともだちまわったり、はるやすみでのごとはなっているどもたちでざわめいている。


 しょうねん――ほくは、すこはなれたまえる、うえほうおおきなアナログけいそなけられた、コンクリートのおおきなはしらしたほう、だいたいめんから160センチぐらいのところけられた、ねんいちおこなわれるクラスえのプリントひょうながめていた。


「やった!」


 ほくクラスえのひょうで、おなクラスこうせるおさなみのまえつけ、そうことらしこころなかよろこぶ。


ちゃんとクラスいっしょだ!)


 そのちょくぶんうれしさのあまことらしてしまったことがついたほくは、あわててあたりをまわすが、ぶんているどもがいことかくにんすると、こんなかおさなふたまえさがはじめる。


 しばらくして……


「だぁ~れだ?」


 ほくなにものかにうしろからりょうかくしをされ、ひだりがわからしょうじょこえでそうびかけられた。


 ほくしんまん(まん)こたえる。


たい耀ようくんだよね?」


 するとかくしははずされ、それとどうかくしをしていたどもは、ほくからいっはなほくかってう。


ざんねん、ハズレだほく


 そのこといてほくかえると、そこにはおさなみのしょうねん――たい耀よう姿すがたった。


 なっとくかず、ほくたい耀ようく。


なんでさ!?」


 するとほくみぎがわから、そのこたえがかえってる。


ほくくん、だって『だぁ~れだ?』ってったのはわたしだもん」


 そのこえあるじ――ほういたほくは、がおかってなっとくかないかおう。


「それ、ズルくないちゃん?」


 そんなほくに、がおのままかえす。


もんわたしわないで。やろうってしたのはたい耀ようなんだから」


 そうわれほくたい耀ようせんもどすと、たい耀ようほくたずねる。


「そうだほくクラスけどうだった?」

にんいっしょだったよ」


 ったほくかおほんとううれしそうで、そのこといたかおうれしそう。

 たりのそんなようたい耀ようほほむと、それにがついたほくたい耀ようく。


たい耀ようくんうれしそうだね」


 ほくことぶんがどんなかおをしているのかかいし、ずかしくなったたい耀ようかおあからめ、だいえる。


「……そうだほくよう何処どこだ?」

「ボク、いっしょいけど?」


 かえしたほくことに、ようこといたたい耀ようと、ふたかいいていたは、おどろきをくちにする。


「「え?」」

「え?」


 たりことほくおもい、ほくおなことたい耀ようかえすと、ふたかおかくにん

 そしてすこかんがえてから、ふたたずねる。


「もしかしてようくんいえなかったの?」


 にんおさなみで、なかい。

 とはせいかつばんほくようたい耀ようかれており、たい耀ようようほくいちばんなかことっているためがっこうちゅうほくさきがっこうったと、ほくいえほくあねからかされたことや、よういえんでもへんかったことから、たい耀ようは、たりいっしょがっこうったとおもっていた。


 だが、じっさいいっしょではなかったためてがはずれたたい耀ようおどろき、はなしをかされたほくこまってしまう。


「いや……たしかめてい。んでもへんなかったから、ぼくはおまえいっしょだとおもったんだけど」


 たい耀ようことほくかんがえた。

 もしかしたらと……

 ようもうわけないとおもいながら、ほくたりせつめいはじめる。


「……もしかしてようくんしてるかも?」

「はぁ?」


 そうことらすたい耀ように、ほくようもうわけないとおもいながらことつづける。


じつようくん、たまにぼうしててボクがこしてたんだ。さいきんかったんだけど……」


 そのことき、いてたい耀ようう。


「そうことか……」


 そしてすこはなれたまえる、コンクリートのおおきなはしらうえほうそなけられてた、おおきなアナログけいせんうつし、いまかんかくにんすると、ほくかってけをちかける。


「なぁふたともぼくけをしないか?」


 そのかおは、なんだかたのしそう。



 ★★★



 しょうねん――五十嵐いからし ようしずしょうがっこうに向かって、ぜんそくりょくさかみちのぼっている。


(もうすこし……)


 ようがっこうえてると、さいちからしぼってはしそくげ、しょうがっこうみちかいのしんごう辿たどく。


「ぜぇ……ハァ……」

(どうにか…… った……)


 しんごうあかいので、そうおもいながらようきゅうけいしていると……


ようくんこくだよ!」


 ようつけたほくが、みちこうのしょうがっこうげんかんまえひろからりながら、ようにそうおおごえけた。


ずかしいからぶんじゃねぇ!」


 おおごえでそうかえしたようは、しんごうあおわってからどうわたり、がっこうはいると、ほくたちごうりゅうする。


「セーフ……」


 そうったようは、たいそうくっしんようたいせいり……

 

「ぜぇ……ハァ……」


 とてもくるしそうにきゅうをしている。


だいじょうよう?」


 は、そんなようしんぱいそうにたずねた。


「何とか……」


 ようかおげ、そうへんかえす。

 そしてほくたい耀ようかってもんう。


「……みんなこしてくれてもいだろ」


 するとたい耀ようが、鹿にしたようかえす。


ぼくは、いえまえでおまえんだぞ。それよりよう、おまえたまにぼうしてほくこしてもらってたの、ぼくたちかくしてたな」


 たい耀ようことき、ようほくにらんでおこる。


「おいほくなんでバラすんだよ!」

「ゴメン。はなさないとたりようくんことしんぱいしそうだったから」


 わせほくがそうあやまると、ことつづける。

 すこし、おこった調ちょうで。


ようわるいのはほくくんじゃなくて、きちんときれない貴方あなたでしょ!」


 おこられたようは、ずかしくなってかえす。


なんだよ。おまえにはかんけいないだろ!」


 するとことこと

 さらに、ようかえしてしまう。


なによ、だいたいねんせいにもって…………」


 そしてたりくちゲンカがはじまった。


 そんなたりながら、ほくおもう。

 すこし、うらやましくおもいながら。


(どうしよう? くちゲンカはじまっちゃったけど、めたほういかな……)


 すると、ほくたい耀ようがこっそりみみちをする。


「(ほくざりたいならきにしろ、ぼくきょうしつくぞ)」


 わったたい耀ようは、かいげんかんかってかいだんのぼってく。

 ほくすこなやんだあとたい耀ようってかいげんかんへとかった。


 キーン コーン

  カーン コーン


 チャイムがる。

 しかしようふくめ、げんかんまえひろどもたちが、きょうしつかうようい。


 わいわい

  がやがや


 そんなとき……


きみたちきょうしつはいりなさい!」


 かいげんかんから一人ひとりせんせいりてて、どもたちにそうった。

 どもたちがそのせんせいけると、せんせいようかってう。


「それときみたちは、もうすこなかくしなさい」


 するとようはそのせんせいことかったためおもってかえす。


せんせいだれだ。あたらしいせんせいか?」

「あぁわるい、しょうかいさきにするべきだったな」


 せんせいはそうかえすと、ひときゅうき、どもたちかってしょうかいはじめる。


わたししんにんねんくみたんにんわたなべ よりみつだ」

「それじゃぁわたしたちたんにんなんだ」


 がそうかえし、わたなべせんせいふだかくにんした。


くろさわ…… このくろさわか、おもったよりつうだな。コレなら如何どうにか…………)


 そんなことかんがえてると、よううれしそうにかるくガッツポーズをしたのがはいる。

 おもったわたなべせんせいは、よう如何どうしたのかたずようとしたが……


わたし()()…… あぁ、そうことか)


 わたなべせんせいは、せんぱいはらせんせいからようたちにんかんけいいて、それをおもし、ようふだかくにんしてなっとく

 そしてはなたいしょうようから、このどもたちぜんいんえ、ことえておねがいする。


せんせいせんせいいちねんせいなんだ。せんせいたすけるとおもって、みんなきょうしつもどってくれないか?」


 するとどもたちはおたがいにかおわせ、すこかんがえてからへんかえす。


「「は~い!」」


 そして、どもたち各々(おのおの)きょうしつかってった。

 どもたちおくりながら、わたなべせんせいおもう。


かった。はらせんせい如何どうにかするようわれたが、如何どうにかって……)

「はぁ~」


 わたなべせんせいは、おおきくいきいた。

 そのとき……


わたなべせんせいすこよろしいですか?」


 いっかいげんかんから、ようきょう(けんしつせんせい)のじょう あきらせんせいあらわれ、わたなべせんせいにそうびかけた。


なにか、ようですか?」


 じょうせんせいがつき、わたなべせんせいがそうへんかえすと、じょうせんせいこまったようでおねがいをする。


「すみません。これからパイプ椅子いするんですけど、たいいくかんまでいっしょはこんでいただけません?」



 ★★★



 すうふん、 ねんくみきょうしつ


  キーン コーン

   カーン コーン


がいはやてっしゅうしてたな」


 ほくりょうしょうほくつくえすわり、椅子いすすわっているほくはなしをしていたたい耀ようは、チャイムとともきょうしつにやってようにそうった。


「それがさ。わたなべってあたらしいせんせいに、きょうしつもどれってわれてよ」


 ようたい耀ようにそうことかえし、こくばんってせきひょうとおしている。


「それよりほく、さっきはおこってわるかった。アレはオレがわるいわ」


 ほくかって、そうあやまったようかくにんしたは、なかおんなもとはなしにき、ようこくばんられたせきひょうながはじめた。


かったなほく


 たい耀ようほくにそううと、ほくうれしそうに「うん」とうなずいた。


 そのちょく

 ようおもしたようかええり、ほくく。


「そうほくからいたけど、なんでおまえ一人ひとりはやがっこうたんだよ?」


 そのしつもんほくなやむ……


流石さすがようくんには、ちゃんさそおうとしたけど、なかったなんえないし……)


 そしてだいえることにした。


「それより、ようくんなんぼうしたのさ。ぼうなんていちねんじょうしてかったじゃん?」


 するとこんようこまった。


さそうかどうかなやんでて、中々(なかなか)ねむれなかったなんてずかしくてえねえし……)


 そんなとき……


  ドタ

   ドタ

    ドタ

     ドタ


 おおきなあしおとともに、がねけたしょうねん――みやもと かおるいきらせてきょうしつにやってる。


(しめた!)


 ようはそうおもい、かおるかってう。


こくだぞかおる

ようくんえたじゃいけどね」


 ほくようにそううと、さらかおることつづける。


「にしても、かおるくんこくするなんておもわなかったけど?」


 するとかおるは、ズレたがねなおしながらほくこたえる。


「それは……、ちょっとおもしろものつけまして。ほくくんひるはごそうしますので、からうちませんか?」

「おひるつくはぶけるからボクはいけど、なんよう?」


 ほくかおるはなしをいて、たい耀ようう。


ほくさそうってことは、ちゅうじんがらみか? あんながくてきなモノ、しんじるな」


 するとほくはムっとし、たい耀ようもんう。


いじゃん、ゆめもへったくれもい」

「はいはい、ぼくわるかったよ。どうせぼくゆめは、とうさんみたいなかいしゃしゃちょうだからな」


 そうかえたい耀ように、さらかおるもんう。


日向ひゅうがくんいモノをいとけるほうが、よっぽどがくてきですよ」


 たい耀ようは、かおるがそうはんろんしたことすこおどろいた。


  キーン コーン

   カーン コーン


  わい わい

   がや がや


 しばらくしてろうほうから、わたなべせんせいじょうせんせいこえこえてる。

 そのこえき、ねんくみどもたちしずかにった……


 いやせいかくには、たりかいきたい女子じょし一人ひとりが、クラスぜんいんしずかにさせたのだ。

 ふた姿すがたは、ぼうとびらかくれてねんくみからはえない。


しんにんたいへんなのに、おごとたのんでしまってすみません」

「いえ、すずせんせいかるくおしりっただけでかった」

「このおれいはいつかかならず」

「でしたらじんてきに…… たらおんないてきょうりょくをおねがいしたいんですが」

たしかにどくしんおとこせんせいじゃ、色々(いろいろ)フォローたいへんそうですもんね。かりました、ではわたしようりますのでこれで。はじめてのあさかいがんってくださいね」

「はい」


 しばらくのかいあとわたなべせんせいがそうへんかえすと、じょうせんせいろくねんせいきょうしつかってく。

 じょうせんせいわかれたわたなべせんせいは、ねんくみはいってるとせいたちう。


「ほらおまえたちあさかいはもうはじまってるぞ。ちゃんとせきけ」


 するとひとおんなが、わたなべせんせいかってく。


せんせい。ランドセルれにふだなかったんだけど、ランドセルはどうすればい?」


 せいにそうてきされ。わたなべせんせいすこかんがえてから、せいたちせつめいする。


わるい、せんせいわすれてた。みんなにゅうがくしきてるあいだっとくから、いまつくえうえいておいてくれ」


 そのことどうに、どもたち各々(おのおの)こうどうはじめた。

 せいみな、きちんとせきいたことかくにんし、わたなべせんせいこくばんぶんまえはじめる。


はじめましてわたしは…………」


 ほくわたなべせんせいはなしをきながら、ふとそとながめながらおもう。


(これから、またあたらしいいちねんはじまる。たぶんきょねんとあんまりわらない。ようくんと、ちゃんと、たい耀ようくんと……)


挿絵(By みてみん)



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