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異常社会化  作者: アカバネ
『東京本部編』
1/6

第1話 「異常社会化」

初の小説となります。

至らない点がありましたら教えていただけると幸いです。


(船の汽笛音)


「(無線機) えーコチラはアイサン島上部、間もなく侵略に入ります。 万が一の負傷者の対応は米の方まで。以上。」


1990年、日本列島の南東。

アイサン島にて突如現れた病。


第1感染者は、アイサン島近くにて漁猟をしていた関係者。

感染数日後に耳の異常な発達が見られる。耳たぶは赤く腫れ、異世界の妖精のような形をした耳になっていた。


調査にて感染者本人曰く、音に対して過敏になったという。

日常的にも困らない症状だったので、世界が一丸となるような、大袈裟な対応は取らなかった。


ただ、感染経路は不明、感染理由も不明。治療方法も確立していない病に、日本や日本近隣の国は焦っていた。



「(無線機)制圧完了です。アイサン島にて確認できる民族は全て排除しました。これから辺りを除染します。」


アイサン島を制圧、中の民族を排除する措置を取らなければならなくなったのは、第1感染者が約150人程に感染体を撒き散らしていた事、そしてその病が想定よりも遥かに危険という事が世間に知れ渡った時であった。


約150人の内、17人が危険な異常器官発達を見せ、内14人が死亡、3人が凶暴化する事態が起きたのである。


国内は混乱に包まれ、暗雲が漂った。


政府は世界と協力し、アイサン島を制圧する事とした。

ただ、それもまた悪手だったのかもしれない。制圧後、軍隊の9割は感染者となり、国内、世界へと広がっていった。


感染理由等は未だ不明。WHOの見立てとして「飛沫感染」や「遺伝」... 様々な見解があった。


特効薬もない、未知の病。感染者の致死率は10%、だが感染したら体へ何かしらの影響があるのは確実。そんな病、アイサン病は、近年普遍的になっている。


初期こそ猛烈な異常発達が見られたが、人と人を経由していく内に弱体化、人間にある程度の補助が加えられるような 便利な未知の病と成り下がっていた。


ただ、致死率が0になった訳ではない。未だ脳への損傷や心臓への損傷のせいで死亡するケースもある。


そして、暴走するケースも。脳の自制が効かず勝手に暴走し、人以下に成り下がるのならまだ良い。何故かと言えば処分しやすいから。

ただ、能力を悪用し頭を使ってくる犯罪も出てくる。


そんな危ない世の中を非感染者は猛反発した。感染者ならば自分を守ることができるかもしれない。ただ 非感染者はどうだ?なにもできずに死ぬだけだろう。銃でも持たせろ、と。


元々、この犯罪等は感染者が非感染者から受ける差別等に抗議する意味でもあったのだが、感染者の数よりも非感染者の数の方が大いに高い。


政府は非感染者を優先し、感染者には脳へと電子チップをはめ込み、危ない行為があればすぐに殺す、外道だが1番効率的な政策を取った。


「え〜我々は、非感染者の皆様と共に、平和で平等的な社会を目指すべく・・・...。」


嘘だ。平等なんかじゃない。感染者は社会的差別を受け続け、今日も1日を過ごしている。


そんな奴は誰かって?俺、新庄化だ。


――――


2022年 東京 とある会社にて。


「新庄君ねぇ〜、ここクビになったら分かるよね?」


「はい、はい。」


「今時異常器官発達者受け付けてるの、この会社だけだからね?分かってるよね?」


「はい、はい。」


なんなんだ。この社会は。

感染したくもないのに親の遺伝で足が異常器官発達をし、見栄えも悪ぃ、融通も効かない、ゴミみたいなモンを引きずって。


毎日毎日上司に脅され続け、給料は趣味なんぞに使う分もねェ。


「話聞いてる?」


「あ、はい。」


「あのさぁ〜...。」


同僚からは痛い目で見られて、ミスもしてねェのに女は俺に擦り付けて。異常器官発達者舐めてんのか?って言ってもこの名前も長ぇしただの障害の部類にすぎないし、なんの効力もない。


辞めちまおうかな。会社。


――――


「えっと、お会計―。」


なんだよ。そんな目で見ないでくれ。


「ありがとうございました〜...」


客への対応がそれか?悪いな、足がゴミみてぇにキモくてよ!

生き物が死んだ所を見たような顔してさ 何だよ、見世物扱いかよ。


はぁ...。


帰路に着く。いつも通りの人気の少ない、コンクリートの上を歩く。 街灯は今にも消えそうで、蜘蛛の巣が無数にかかっている。


コンビニで買った。酒を少し嬉しそうに眺めながら、アパートの階段を登る。


203 新庄


(ドアの開く音)


――――


風呂も済ませ、後は寝るだけ。

寝たら、明日また会社に行くだけ。


そんでまた、嫌な目されるだけ。


...俺、会社行かなくていいんじゃねェか?


「そうだよ。会社行かなくていいんだよ。あんなゴミみたいな扱いされんならバックレて金尽きるまでパチンコでもしてた方がマシなんじゃねェのか?」


異常器官発達者だからパチンコ行けねェけど。


「んだよ、そもそもこんな人生やってられるかよ。」


酒を1口飲みながら、テレビのリモコンを手に持ち、チャンネルをまわす。


「え〜今需要が上昇している対アイサー警察ですが、日本対アイサー警察署は 今も尚 異常器官発達者の就職者を・・・。」


(テロップ ※ アイサーとは、異常器官発達を悪用した犯罪者の事です。)


へっ、なんだよ。どうせ不味い飯で死ぬまで働かせられるんだろ。俺たち人権ねーもん。


「では、対アイサー警察の水守さんにお話をうかがってみました。よろしくお願いします。」


「よろしくお願いします。対アイサー警察では、良質な環境を整えており、異常器官発達者の皆様を快く歓迎しております。1日3食は勿論無償で、月に2度の社内イベント会等、アットホームな・・・」


(テレビを消す音)


アットホーム?馬鹿馬鹿しーな。どうせこき使うだけだろ。


「もうやめだやめ。寝る。」


酒で少し酔いつつ、クタクタした体でベッドに横になる瞬間が最高だ。なにもかも忘れられて、そんでもって・・・。


(イビキ)


――――


(大きな衝撃音)


「んン、んァ!? なんだよ!?」


アパートの壁が壊れている。玄関は跡形もなくなっていて、隣の部屋の人が外の道路の人影を見て怯えているのが見えた。


「なんだ..?」


少しずつ前に足を動かす。右足をガタガタ引きずりながら、外の道路に立っていた男を見る。


「脳が...腫れてる?」


脳は飛び出て、舌はコンクリートまでつき、皮膚が羽のように扱われている。異常器官発達部位は計3つ。


あれが...アイサーかよ...。


第1話、どうでしたか?

アイサーの恐怖と対面する(ばける)、第2話でどういった行動を起こすのでしょうか。

お楽しみにいただければ幸いです。

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