解説
皆さまごきげんよう。私は今回解説をさせてもらう服部という者だ。今回はラジオに関する話をせてもらったわけだがここではこの話の本質、真実を語らせてもらおうと思う。
あくまでこれは補足となるので本編で満足したのなら読む必要はないとあらかじめ明言させてもらおう。
さて、本題に入らせてもらうわけだが実際のところこのラジカセは「怪異的もの」なのか「そうではない」のか。正直に言えば「わからない」というのが回答にならざるを得ない。
実際のところラジカセが何かをしたかと言えばそんなことはないが全く影響はなかったかと言えばそうとは言えない。
この話の中で起こった事件の犯人、それは「私」、つまりは骨董屋の店主だ。最後の血の描写からも間違いはないだろう。
店主はこのラジカセのために4人の人間を殺している。最初にラジカセを買っていった男、証拠品として押収した刑事、お祓いのために預かった神主、そして元々このラジカセを所持いていた人物の4人だ。
ラジカセを欲した店主が持ち主を殺害し強奪し店舗に置いたと思われる。その後手元からラジオが離れるたびに殺害し奪い返すことを繰り返しているたと思われる。
とはいってもそうなると矛盾が発生するのも確かだ。最後の神主に関しては店主本人が望んで手放しているわけだからね。
しかし、ここで重要なのは彼に犯行の記憶がない事、そしてすべてが夜中の犯行だったということだ。店主は一種の夢遊病で眠りに落ちた後犯行に及んでいたというわけだ。
潜在意識では本当はラジカセを手放したくはなかったということになるのだろう。
ここまで語った内容では完全に店主によるもので怪異的面が挟まる余地はないように思えるが彼の語りの中にはない不可解な点というものが実はある。
全員なくなっていた場所が自宅で犯人は玄関から出入りした可能性が高いということだ。
どうして店主は彼らの住所を知っていたのか。夜中の来訪者を被害者がどうして招き入れるに至ったのか。そして刑事と神主は自宅にラジカセを持ち込んでいたのか。
ラジカセを聞いて操られた被害者が住所を教え犯人を招き入れた。そうとも考えられるが実際のところは不明だ。
解説は以上だ。それではごきげんよう。またどこかで会えることを願っているよ。それでは。