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プロローグ

「…こ、れが、俺のま、魔剣だ、と?」


誰も何も言わない。


ただただ男の驚愕した声がこの場に残り続ける。


「嘘だろ、勘弁しろよ…」


誰も何も言わない。


「ハ、ハハ、アハハハ…」


彼の自嘲が響き渡る。


「いや、これ、おかしいだろ、だって、これって、これって…剣じゃねぇだろ…。これ、」


「…包丁じゃん!」


その通りであった。


神によって審議された彼の適正武器は包丁、なんの変哲も無い包丁であった。


これは彼が包丁の勇者となるまでの物語である。



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