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初めての戦い

「えっ……? どういうこと……?」

 彼女達の目に広がっていた「やまのやど中央通り」は、とてつもなく残酷で、ありえないほど血にまみれていた。


 普段は明るい智果だったが、道路に広がる血を見て絶句した。

 というのも既に宇宙船は移動し、街は洗脳された人々が暴力で支配。

 逃げ遅れた住民や観光客が次々と慈悲の無い暴力の雨の降る道に晒され、最終的に洗脳されていた。

 その数は40人程度から55人ほどに増えている。

 一方で、彼女達4人で共有している飴は12個ほど。

 どう工夫しても足りなくなる―――――。


「こんなの……絶対に無理だよ! 敵の数に対して、飴の数が足りなさすぎる!」

「私達の……街が……」

「返り討ちに遭う、予感しかしない……」

 当初の目的をこなすことが絶望的だと分かったのか、雰囲気は暗くなっていく。


 そしてそれを好機だと見たのか、洗脳された人々が奇声を上げながら4人に襲いかかってきた。

「うわああああ!?」

 3人は逃げ惑うが、みどりだけは動じない。

「みどり! 早く逃げ……」

 青奈が呼び掛けるが―――――。

「……大丈夫。 問題ない」

 それでも彼女は逃げようとしない。

「オラアアアアア!!」

 更に、ナイフを持った敵が至近距離まで接近しても―――――。

「……こういう事でしょ」

 その顔に焦りは無く、そのままの表情で敵に向かって飴を発射させる。

 飴は自らを口に入れようと言わんばかりに軌道を変え、そのまま敵の口内へ。

「……あれ?」

 まるで何事も無かったかのようだった。

 しばらく赤い煙が立ったあと、敵だった人物の洗脳は解除された。


 だが、この1人だけが洗脳された訳ではない。

「私達も……やらないと!」

「そうだね!」

「ですよね。 一人に依存するわけにもいきませんし……」

 一度ほどけそうになった結束が、結ばれ直した―――――その時だった。


 その直後、そんな彼女達をほんの一瞬で現実に引き戻すかのように事態が急転する―――――。


「何するの……こんなところで……!」

 敵の一人が、みどりの左脇腹に飛び膝蹴りをしてきたのだ。

 これをそのまま食らった彼女は一気に吹き飛ばされ、背中からガラスを破って店内へ。

 その様を見ると、敵は狂気も混ざっていそうな笑みを見せながら智果達へと迫る。

「待って、誰!?」


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