表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

嵯峨野1

(琴の音、小鳥のさえずり)


ナレーション「京都嵯峨野の冬はとても寒い。

2月は一年でもことさら寒い日々が続きます。


晴れていても雲の流れは早く、日差しが隠れたかと思う間もなく

冷たいみぞれや霧雨に覆われます。


数日前に降り積もった小雪の塊が道脇や苔むした岩陰に、

これからの寒さをじっと耐えて滲ませています。


六条の御息所と源氏が密会した野々宮神社から竹林の小道は

こぼれ日もなくうす暗く、思わず襟を立てて

うっそうと天まで続く竹林の中を大河内山荘に向けて

坂をゆっくり歩み上っていきます。


上り詰めて山荘の門前で大きく深呼吸をします。

なぜならここには平らな大きな空間が広がっていて

一息つくにはもってこいの場所だからです。


白い息をゆっくりと吐きながら

『これから先もまた坂か』と思いつつ


ふと振り返ると、見事な竹林の下り坂に

思わず息を止めて見とれてしまいます。


今も昔もおそらくこの坂の勾配と小道の幅は

竹林の丈は違いがあってもこの香りと空間の漂いは

時が止まったかのような物の怪への入り口を感じます」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ