雪色の魔女4
「寒い雪の国から来ました。あなたは私を見てどうかしら、身が竦み怯えているのなら見逃してあげてもいい事よ。」
私は母親以外女という者に接する事の無い、寂しい人生を歩んでいた。ましてや、これほどまでも美しい女の人を見た事なんて一度も無かった。
「怖くないし、怯えてもない.ただ君という存在を見ていたいんだ。」
女の人は、急に笑顔が明るくなって私のおでこをつんと叩いた。
「じゃ、少しだけよ。」
「うん。」
私は今日あった出来事とか、村での事がらを事細かく話した。女の人は、話す度笑みを浮かべ本当に楽しんでいると思っていた。
でもそれは私自身の身勝手な解釈に他ならなかった。
それは笑顔の後にでるなんとも言えぬ冷めた顔、私はその顔に深い意味があるように思えてならなかった。
「何、私の顔みてんのよ。もっと話して。」
「何をしてんの逃げてー。」
私はこの豹変のしかたは尋常はでないかと逃げた。
後から追ってくる女の人(雪女)は、私の真後ろにいるかのように何故だかそういう風に思えてくるのだ。
やっと家に帰ると言い知れぬ恐怖と戦わなければならなかった。
案の定その恐怖は当たり、父親や一緒に行った者達は非業の死を迎えていた。
私があの時ちょっかいを出さなければ、このような死様ををむかえる筈は無いものを、そしてあの冷ややかな顔の意味を知る為に私は木こりしているのだ。
「あの時、俺は怖いもの見たさであんな事をした。でもそれはこんな事ではない筈だ。あんな引きつった顔、俺に対する嫌がらせか。」
何にしても後悔するばかりだ。
そんな時だった。
隣街の友人フリックがかかけこんできた。
「なんだ、鳩がマメくってつまらせた顔しやがって。」
「ちがうよ親っさん。いいか裕二よくきけよ。雪女が捕まったてんだ。
それでよー公開処刑されるんだってな。 「なんだ、鳩がマメくってつまらせた顔しやがって。」
「ちがうよ親っさん。いいか裕二よくきけよ。雪女が捕まったてんだ。
それでよー公開処刑されるんだってな。
これで親父の仇を取れるというもの。
良かったな。」
それは何よりの事というより何というか、信じらんない行動をさせた。
「俺ちょっと行ってくる。そうすれば助けられるかも知れないから。」
私はどうしても助けたかった。
それが親父に対する仕打ちだと思われてもかまわなかった。
私は親っさんの軽のアルトを借り向かった。
つづく