雪色の魔女21
はるか、他のサイトで遊んでてこれなかった
今度から真面目に書くから読んでね!
しんとした静かさから、ここは別次元のように感じられた。
裕二は全てを失い、始めて小夜子の奥底に潜む闇を観ている感じがした。でも、この感触。そしてこの鼓動と視野、生きていた時と同じように拡がり膨らんてまゆく。
「小夜子ーいるのなら返事を返してくれ〜。
何も恐れる事はない。
俺はお前の事が好きだからやってきた。
いるのなら返事一つぐらいは返してよ〜。」
「・・・・・。」
何もない、この闇の中で裕二は一人取り残された感覚に陥ってしまった。ならどう対処するかも、もしかして裕二は分かっていたかもしれません。しかしこの時の裕二にはそのような事、頭に回る訳も無く、もっぱら小夜子の名を叫ぶだけだった。そうするうちに何故だか物悲しくなり裕二の心は沈んでいった。
「何さ、男の子でしょ、しっかりしなさい。」
裕二を気遣かってくれる者の声も虚しく轟いていた。
「小夜子。」
今はそれだけしか言えなかった。
このまどろんだ訳もしれない世界で裕二は一人。正確にいえば二人だが、声ばかりで正体を見せなかった。
「くそったれ。」
投げやり的な言葉が飛び出す。それは仕方のない事だと飽きるべき事なのか、裕二には、そこの部分がさっぱりと抜け落ちていた。
「弱いひと、私救うんじゃなかったの。」
小夜子の声の幻聴までも聞こえてきた。
もう駄目だ。ならばいっそと、舌を噛み切ろうかと思ったが、体の無い裕二にはそれも許されなかった。
「怖い、怖いよ。
俺は人間だ。
雪女やその他、妖怪の類じゃない。
怖いよ。怖いよ。怖いよ。」
恐怖にうち震えるのも人間なら、今の裕二は人間そのものだった。
「ごめん怖がらせた。
今の私はこをなのでも仕方の無いの。
だって私、自分が怖いから全てのものを踏みにじってきた。
さっきさ、母さんにこっぴどく叱られちゃった。自分を強く持つのよってでも私、その母さん食べちゃった。
魂ごと、私どうしようか、裕二その答えを導き出してよ。」
その答えは、簡単なようで難しいものだった。
裕二は無い頭を巡らせ思案した。
その結論は少し前まで思ってきたこと、その事柄を再認識した。
「行こう小夜子、行けぬなら君の全てを守りたい、食ってくれ俺の全てを。」
「そうか〜ならば食ってやるさ。
小夜子って、弱々しく貧弱な者の真似は疲れたぞ。
はっはっは、それではごちそうさま。」
騙された。
裕二は一瞬そう思い、軽率な自分を恥じた。
「駄目、生きなきゃ。
あなた、小夜子救うんじゃないの。
この空もこの地上も全ては小夜子の想像から生み出された物、目を見開いて感じるから小夜子の息吹きが...。
生きて!」
裕二を押したてて、謎の声の人は身代わりになり食べられてしまった。
裕二は再び一人となり、途方にくれてしまう結末を味わった。
続く