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雪色の魔女3

さて、これから話す話は、あれから時と場所を移し始めたいと思います。

第2章 山のきこりの男

ペースアンドル山脈には、良質な木材が取れ人々は、こぞって移り住み活気のある村に成長していった。だがそれも一昔前の話で今や行き過ぎた木材の伐採のおかげで禿げ山がそこら中、点在していた。

「親っさん、木持ってきたで-。」

トラック山積みして林協の元請けに威勢よく乗り入れた。

「おう、来たか。待っていたぞ。ちょっいくら木見せてみ-。」

「おう。」

荷崩れ防止のほようシ-トを外し自慢げに見せる。

「うーん。」

しげしげと木材を見ていた元請けの親っさんでしたが、どうやら芳しくない様子、頭に手を当てていた。

「どうだ。金になるだか。」

「うーん。ならん。」

「そうだか。なら今日はかえるだ。」

ほようシ-トを元通り被せ帰途につこうとした時だった。

「ちょいと待て!。帰れってだれがいったか。色つけれんけど置いとけ。」

「親っさん。」

この親っさんにほだされて何人の人が救われたかしれない。

でもこんな事ばかり続くと立ち行かなくなるのも誰の目から見ても明白だった。

でも親っさんは、

「金はなー生きている時しか用がねえ。

裕二坊いつかは、お前もわかる日がくるぜ。」私何時もこんな時.空返事ばかりして場を取り繕っていただけだった。

その意味を示すものは、あの記憶の中にあるようだ。それは、私もまだ歳がこれほどまでいってない時分だった。

私は親父達に呼ばれ渋々きこりの手伝いに行った。そんな時、吹雪にやられ息をひそめていた。

それというのも、こんな日は、雪女出でて生気を食らうという言い伝えがあるからだ。でも私はみんな言う言葉が信じられず吹雪中、外にでたのだ。

「親父.何怖がってんだ。前見えんほど雪降ってるけど雪女の姿なんてないじゃないか。」

雪の中、何を舞い上がりこういった態度をとってしまったのか.今でも頭を抱える。だけどその時は、そんな事ばかりで一杯で親に対する反感だけだった。

だがこれが.現在まできこりをやってきた礎をつくったのかは、その時分の私には、到底分からぬことだった。

空がうなりをあげ今にも何か出てきそうだ。帰る当てもなければ、このまま凍え死にそうだ。

「もう帰って親父安心させよ。」そう思った時だ。

あれほど吹雪ていた雪も嘘の様に影をひそめていた。

これは何かあると思ったが、体の自由が効かなくなっていた。

その瞬間、ゴーと地吹雪が吹くと同時に何かいるように見える。その者の正体は白銀の髪をなびかせ異常なまで白い肌、そして白い死に装束を着ていた。

その正体も考えられるままこのばに、突っ立ったのが、精一杯だった。

でもその得体の知れない者は、私のその意を汲み取ってくれる筈も無く話しだした。

つづく

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