雪色の魔女14最終章 生きている限り君を守る
久しぶり、ようやく最終章 生きている限り君を守るの一話目をお贈りする事ができます。
まず読んでください。
お願いします。
最終章
生きている限り君を守る
あの日からゆうに、2年の月日が経っていた。
キコリの仕事も地上温暖化とかなにやらで、規制の的になり、最早続ける事も出来なくなっていた。
「おやっさん嫌な時代が来たよ。」
線香を上げるその手に何だか言いようのない気持ちがほとばしっている。それは、時の中に埋没する思い出なのかもしれない。
苦しい生活の中での一時の安らぎ、お金では語れないものばかりが、頭の中をよぎり離さなかった。
「なら帰るでよ。
おやっさんまたな。」
そうして私は、おやっさんの家を後にした。
その胸中にあるものはなんにしろ、幼い時分からの付き合いもあり、並々ならぬ思いで一杯であった。
「おやっさん。」
と自然に口から漏れて、その言葉が淡い思い出に繋がっているかのように思えてならない。それは、遠い昔の事であったのか、今更になっては知りようが無いのだが、名がどうしても思い出せない。
はっきりとしている事は思い出の品だけ肌身離さず持っていた事。
「・・・・、君は私に何を言いに来たんだ。
死ぬと承知してまで私に義理だてして、馬鹿だよ屯ちんな、娘だよ。」
誰に慰められずともいい、こうして君の思い出に浸る事が1番の楽しみであり喜ぶでもあった。
「小夜子。」
気がつくと、見知らない娘の名を口ずさむんでいた。
「誰だろう。誰だろう。
。」
小夜子、そして思い出の娘。
あれから、誰に聞いても信じてはくれなかった全ての事柄、俺には全てが真実であったかに思えるでなければ寂し過ぎる。
遠い、それは本当に遠い真実、何が本当であってこの去来する想いは果たして何物なのか知る為に私は、小夜子と称する雪女のもとへと行く事を考えた。
「見えぬもの、全ての事が真実を映す鏡なら、行ける。
この白き衣に誓おう。
きっと再び再会しする日がくる事を。」
これが、的を得ぬ事だという事は重々承知していた。
しかしそうしないと私の気持ちは、君から離れて行きうでこわかった。
「小夜子もうすぐ君に会えるんだ。
潤んだその瞳に涙いっぱい溜めた君の顔を見る為に。」
裕二は、その時はっきりと小夜子の事を思い出した。
あの潤んだ瞳の意味を知る為、そして伝えられなかった事柄を言う為に小夜子の着ていたあの死に装束に袖を通した。
無意識だったが、それが1番最善だろうとおもえたから
つづき