氷上の雪
屈辱と侮辱の果てに見つけたものは、恋であった。
しかしこの寒々とした息は、何もかもこおらせる。
アリサは、知っているのであろうか、人間と相容れぬ仲であろうと、きっと誰かがきっと分かってくれる。取り持ってくれる事を、糖菓子のように甘い私の考えをいつか分かってくれる日が来る事を、
それは、私の囁かな願いであり願望だった。
しかし現実とは皮肉なもので、乙女チックな夢ばかり追っている。ただの世間知らずだと揶揄される始末だ。
今日もこの寒々とした高原をただひたすら歩き、白き冷気を巻き上げて、一人氷上のに佇む。
アリサは、こんな私を忌み嫌い、よく意見の対立した。
「あんたさー。
こんな事してると
いつかは野垂れ死にしてしまうよ。
今からでいい若い生気溢れた男のいるところに行こうよ。」
でも私は、そんな気にもならず、何時もいい加減な返事ばかり返した。
そんな事で、今日も野の枯れ木や枯れ草などの枯れ果てた生気をむしゃぶりついた。
そんな日が続いたある日、歳は30くらいだが、なりが何と云うか薄汚いボロを身にまとった人、世間ではホームレスと言われている者であろうか。
(これは、こういった人を差別や偏見として書いたものでは無く、この物語の一表現として活用しましたものです。)
よたよたと歩くその素振りは、野のものと変わらぬ様相で、さしもの私もつい誘われてしまった。
「旦那様。旦那様。」
妖艶なる声で男を誘いまるでアリサのようでした。
「女、女だ。
嘘だろ、こんな俺にも女が。」
「いいや旦那様。
私あんたを好いております。
一夜の時とこの氷上雪さへあれば何もいりません。」
男は、よだれを垂らし私を抱こうとした。
「いいや辞めた。
あなたが雪女である事も承知している。
だからこそ、こんな身なりの俺では、腹に足るとは思えない。
だから私に少しの甲斐性と今夜のチップ上げれるようになったら来てください。」
最初は、苦し紛れの言い訳だと思ったが何ともいたいけで仕方なく承知した。
その直後、アリサにこっぴどい叱られたが、ひもじさからもう言い合う気力もなくなってしまった。
それから私は、節目がちなり、体はアリサに任せきりになっていった。
それからゆうに、一年の時が経っていた。
私はまだあの日の事を引きずり引き込んでいた。
気晴らしでもと夕闇の頃を見計らい偶々行った街の片隅であの人を見つけた。
涙がでるというのか、哀愁が漂っているのか知らず。
あの人を見るなり、すぐに抱きつき泣いた。
「嫌だ。嫌だ。」
と邪険にされても、こうしていたかった。
そうして気が晴れ、久々に充足感を味わった。
「ありがとう。」
と言って立ち去ろうとした瞬間、ぐったりとしたあの人がいた。
引きつった、その顔色には生気というものは感じらんないくなっていた。
「いーやー。」
私は泣き喚いていたが、その隣にいるアリサは、ほくそ笑んんでいた。
それは、本来あるべく私の本能がさせたのか、だとしたらこの身など朽ち果てても一向に構わないと思った。