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ごなぁがぁる 2話


「…それにしても距離近くない…ですか…?」


空木がジトッと、見つめる。目線の先には、躑躅にくっつく私がいる。


「もしかして…コレ?」


小指を立てて見せられる。

顔が熱くなる。


「そ、そう見えちゃう…?」


「ちちち、ちげぇって⁈桔梗も照れんな!」


2人から顔を逸らす。どんどん体温が上がっていく。


「わっ、私飲み物取ってくるね⁈」


思わず部屋を飛び出した。

階段を降り、リビングに来る。その場にへたり込み、一息ついた。


「はぁ〜。従兄弟君め…。」


にやけそうな頬を手で押さえる。


「…躑躅って、そんなに私と付き合いたく無いのかな。」


躑躅が勢い良く否定した事を思い出す。しかし、別にいいのだ。隣に居られれば。すこし気にはするが、私の事をなんと思ってなくとも、躑躅が誰かと付き合おうとも。

ただ、その誰かが自分だったら。そう考えてしまう。


「躑躅の幸せが一番なのに…

あはは、駄目だなぁ…私。」


冷蔵庫を開ける。先ほど入れておいた麦茶とグラス。冷凍庫からは、箱入りのアイスを3つを取り、お盆に置く。


「切り替えろ…切り替えろ…

心を殺して、にやけるな。暗い顔もするな。」


躑躅の部屋の扉を開ける。


そこには羽交締めにされる空木の姿があった。


「桔梗、しめといたぜ!」


「…ぷ。何それっ」


「待って本当にギブギブギブギブ」


やっぱり、躑躅って面白い。


□ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇


飲み物を取りに出て行った桔梗を見て、空木が躑躅に近寄る。


「で、実の所どうなの?兄ちゃんは桔梗さんの事好きなの?」


「貴様まだ言うか。」


空木は「教えて」とゴネ続ける。


「桔梗は…そんなんじゃねぇって。」


空木はポカンと、豆鉄砲で撃たれた鳩のような反応をする。


「桔梗は俺なんかじゃ釣り合わないよ。もっといい人と出会って、幸せになるべきなんだよ。」


そう語る躑躅の表情は何処となく悲しげだった。


「ふ〜ん、めっちゃ好きじゃん。重い男は嫌われるよ?」


「は、はぁ⁈す、好きじゃ…めっちゃ好きじゃないし!重くないから⁈」


しばし沈黙ができる。


「じゃ、じゃあ桔梗さんに彼氏が出来たらどうするの?」


「相手の家にご挨拶に行ってカメラ仕掛ける。」


「やっぱり重いじゃんっ⁈てか犯罪では⁈」


言い合いが続き、揉みくちゃになる。しかし、普段家を出ない空木では、スポーツもできる躑躅に勝てないのは自明の理であった。


「お前こそ好きな子いないのかよ⁈」


「俺は女に興味はねぇの!2次元の子しか可愛いとは思わねぇの!!」


そして羽交締めにされ、桔梗が戻ってきた。


□ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇


室内では扇風機がまわり、私のプレゼンした風鈴が鳴る。


「あれ、飾っててくれたんだ。」


「おん。」


素っ気ない態度でアイスを貪る。


「ほんっとに、顔色変えないんだな。兄ちゃん…」


「何年好きだと思ってんだ。これぐらい出来るわ。」


テレビゲームの話だろうか。躑躅が昔からやってるゲームとなると


「なんの話?カバンデビル?」


「ああ、そうだ。カバデビ。俺がピンチの状況でも、顔色ひとつ変えないって話。」


カバンデビル。通称カバデビとは、かばんに押し込められた悪魔を使役し、世界の頂点に立つゲーム。

あとで私もやろう。


エアコンのそよ風で、風鈴がチリンと音を立てた。


「そう言えば、今日うちに泊まる?」


「そうしようかな。電気代の節約になるし。」


「今度はそっち泊まらせろよ」


「わかってるって。」


3人はアイスを食べ続ける。


「って、えぇ⁈ナチュラルに泊まるやん⁈」


「「?」」


2人は同時に首を傾げる。


「え、俺今日は帰るべき…?あとは若いお2人さんで…」


「別に変なことしねぇよ⁈お前の方が若いだろ⁈てかさっきもこのツッコミしたわ⁈」


「躑躅、ツッコミのキレが凄い。」


空木は乾いた喉を麦茶で潤す。


「いや…でも、今高校生でしょ?どうなの、男女2人が屋根の下。何も起こらないはずが」


「あります。起こりません。俺が手を出すとでも?」


「CHICKEN。」


「桔梗さんっ⁈」


別に私は躑躅と居られればそれで満足なので、両思い以上の事は望まない。


「他の誰かに奪われる前に…」


「え今とんでもない事言わなかった?」


躑躅には聞こえていないようなので無問題。それに、そんな事をしなくても不届者ならこの手で先に始末するまで。躑躅を危険な目には合わせなし、その為ならば罪でも何でも犯してやる。———牢の中にいる間に躑躅を守れないので、捕まる様な事はあってはならない

おはこんばんちゃ〜みちをです。


激重両片思いって、いいよね。

幼馴染って、いいよね。

相手と自分は釣り合わないって思い合うの、いいよね。

夏に誰かの家で遅くまで駄弁ってるの、いいよね。

夏って見る分には、いいよね。


俺の癖の煮凝り。それがコレ。

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