ごなぁがぁる 1話
これは、公式企画投稿作品「ゴナーガール」の番外編です。
ゴナーガールを見ていただいた前提で書きましたので、名前が明記されていませんが、
主人公は「胡蝶桔梗」、今回の舞台の家主は「白躑躅」です。
桔梗は躑躅の家に行く。2人とも1人暮らしなので、親の都合など気にしない。もっとも、親の仲もよかったのですんなり許しが出そうである。
「つ〜つじっ!来たよ〜?」
インターホンを鳴らす。
「ちょっ⁈誰だよこのべっぴんさんっ⁈誰かくるなら先に言っとけよ!」
「お前、一回黙れっ! ごめんなっ、今すぐ行くから待ってて! 」
家の中からはドタドタと大きな音がする。ドアは勢いよく開く。
「ごめんな?すぐ追い出すからっ。」
「誰なの?まさか、彼s」
「冗談よしてくれ…。アイツは俺の従兄弟で、うちに泊まったりするんだよ。昨日も泊まってて、まだ帰ってないってだけ。」
恋仲で無いのなら良い。内心ホッとした。まあ、恋仲でも幸せならOKですけど。ただ、躑躅を不幸にするなら…なんて、思ったのは秘密。
私は躑躅を抱き寄せる。
「ちょっ…き、ききょーさーん…?何をしていらっしゃるんですか?」
「吸わせて。他の人がいるんじゃ出来ないから。」
「いつもはして無いですよネ?なんで今日は…」
沈黙を貫く。まさか、飲み物を用意してもらってる間に、躑躅の服を嗅いでるなんて事は…ナイデスヨ…。
「まさか毎回隠れてっ…⁈」
バレたなら仕方が無い。まあ、バレたからと言って辞めないけれど。
ふたたびドタバタと階段を駆け降りる音がする。
まずい。非常にまずい。こんな所を他の人に見られるなんて…。しかし、この魔性の躑躅が悪いっ!この香りが私を引き止めさせる!!!
「あーっ!兄ちゃんが、女の子といちゃついてるっ!女の子抱いてるっ!」
「おまっ…!語弊の生まれる言い方すんなっ!だいたい、これは俺が抱かれてるんだ!
って、違う!そういう事じゃなくてだな?まて、ゆっくり階段登るな?」
「兄ちゃんの『癖』は一般的だよ。うん。俺は帰るから…ね?あとはお若いお2人さんで…」
「お前の方がお若いだろっ!待て待て違う!待てぇえええ!!!」
躑躅を私が…。悪く無い。なんて思っていると、
「桔梗さん、流石にそろそろ…」と、言われてしまったので『躑躅吸い』を中断。躑躅を離した瞬間、躑躅は従兄弟を追いかけていった。
「お邪魔しまーす。」
家主の躑躅には聞こえないけれど、一応形式上言っておく。そのまま洗面台へと行き、手を洗う。そのまま、彼らのいる部屋へと向かう。
「痛い痛いっ!ギブギブギブッ!
そこには、躑躅に4の字固めにされている従兄弟がいた。
「桔梗、コイツになんかしてやれ。」
躑躅が従兄弟を離す。私はそいつの胸ぐらを掴み、拳を構える。その拳を振り下ろす。
従兄弟は思わず目を瞑る。
しかし、思っていた痛みが来ず、片目を開く。
そこにすかさず、デコピンを喰らわす。
「いっでぇええっ⁈⁈」
「ナイスデコピン。」
「…今なんで従兄弟君を懲らしめてたの…?」
「それすら知らない人に、こんなデコピン喰らったの?俺。」
躑躅は笑い、つられて私も笑う。
□ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇ □ ◇
「兄ちゃん、結局この人誰なんだよ?
それに、なんでそこに座ってんだよ…俺だって…」
胡座をかく躑躅の脚の間に座る私を、羨ましそうに見つめる従兄弟。
「自分から名乗るのが礼儀じゃないですか…?」
「うっ…お、俺は白 空木…です。」
だんだん声が小さくなっていく躑躅の従兄弟———空木。
「桔梗、空木は人見知りなんだよ。さっきまではノリで話せてたみたいだけど、これが素なんだ。」
「ふーん。私は胡蝶桔梗です。好きに読んでもらって構いません。」
「兄ちゃん、この人もなんか口調変わってない…?」
「桔梗は俺以外の前ではこんな感じだぞ?」
2人の話してる間、私は躑躅の腕を掴み、私の体の前に持ってくる。1人腕に抱かれ浮かれていると、「桔梗もコレで良いか?」と言われる。
「勿論」
と、返す。正直話は何も聞いていなかったが。躑躅の言うことならなんでも聞く。
空木は部屋のテレビ台から、コントローラーを取り出す。テレビに表示されたのは格闘ゲームの名前。
それぞれが『持ちキャラ』———得意なキャラクターを選択する。
「え、えいやー」
「つ、潰れてください。」
「いや、お前らもう素で話せよ。」
人見知りの空木は兎も角、私は素で話す事にした。もう、素はバレているんだし。というか、躑躅の言う『私の素』ってなんだろう。
「おらっ落ちやがれッ!躑躅と戦いたければ私を倒せッ!この雑魚がよ!」
「なんだコイツ急に…邪魔だ!道を開けろッ!
ちょ、やめ…やめろぉお!うぎゃああああ⁈」
奇声を上げながら、空木の操るキャラクターは、奈落へと落ちていく。
その姿に笑う私と躑躅。ずっとこんな風にゲームして、笑って。それが出来たなら、どれだけ幸せな事だろう。
おはこんばんちゃ〜みちをです。
ゴナーガールを見ていただいた前提で書いてました。
投稿直前になって、「あれ、これキャラクターの名前明言してなくね?」と、気づきました。
見ていない人にとっては、とても読みにくかったと思います。
こちらは僕が気まぐれで書いてるものですので、更新日は明確に決まってません。ただ、決めておかないと書かない気もします。
月一だと…絶対忘れるし。
週一はキツイ!!
まあ、気長に待ってください。続きが気になったらTwitterのDMか、コメ欄に催促してもろて…
では、また次回お会いしましょう〜