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35 テスト前の日々

そして土曜日がやってきた。

僕は8時から1時間おきに茂丸に電話する。


『もしもし。1ページ目やってるよ』

『生存確認』


僕はそう言って切る。朝ご飯を食べる。

9時。


『もしもし。2ページ目やってるよ』

『生存確認』


その後も12時まで電話をかけ続けた。お昼ご飯を食べる。


「よし、僕も勉強しよう」


僕は授業中にとったルーズリーフを見返す。大事なところを書いていく。


「帰りたい」


僕は家にいるのにぶつぶつと独言する。


「どっかいって勉強しよう」


僕は喫茶店に行くことにした。両親は出かけているようだ。着替えて、家から3分の喫茶店に入った。


「キャラメルマキアート、ホット、トールで」


僕はすぐに頼むと、ソファの席を占領した。

勉強は捗った。

夜になると、また、茂丸に電話をかける。


『今日1日でどれくらい進んだ?』

『5ページ目まで進んだよー』

『本当に?』

『ガチで』

『じゃあ、明日、ハンバーガー屋で一緒に勉強しよう。問題出してあげる』

『え? 勉強見てくれるの? 勃起マンと比井湖も呼んでいい?』

『そしたら、あんたら、ふざけるだろ、だめだ』

『じゃ、俺だけだな、宜しくな!』

『朝の9時、朝飯は食ってこいよ』

「了解! それじゃあな」

『じゃあなー』

『あいよ』


茂丸からの連絡は途切れた。


喫茶店から出て、家に帰った。



日曜日。


「ふぁー」

「茂丸、あくびする時は口を手でおさえろって」

「細かいところはいいんだよ」

「じゃあ問い1、飛び杼を発明したのは誰か?」

「ジョン・ケイ」

「問い2、水力紡績機を発明したのは誰か?」

「アークライト」


茂丸はちゃんと勉強してきたようだ。

その後も問答が続いた。

12時になると混んできた。


「お昼食うか!」

「そうだな、マッ○シェイク飲みたい。マッ○シェイク飲みながら、おっぱい揉みたい。マッ○シェイク飲みながら、おっぱい揉みたい」


茂丸はヒ○ダンスのようなノリで言ってくる。


「大きな声で言うなよ、学校じゃないんだから」

「たい、スマイルお持ち帰りしようよ」

「キモいから帰ろうかな」

「すみません、ハンバーガー、10回払いで」


茂丸はレジの前でふざけている。


「やめろ、すみません、ハンバーガー2つ、ホットコーヒーも2つ……千円からで」


僕は顔から火がでそうだった。つい、奢ってしまった。


「たい、ゴチになります!」

「まったく」


僕らは2人でもぐもぐ食べる。


「で、30点以上とれるんだな?」

「当たり前よ」

「あんた、名前書き忘れるタイプだろ」

「ああ、気をつけるよ」


茂丸と勉強をして今日も終わりに近づく。


「じゃあな、僕はもう帰る」


僕は茂丸を残して19時に帰った。


「たい、おかえりなさい」


母は暖かく迎えてくれた。

僕は平穏に次の日を迎えた。

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