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28 大会の当日3

夢の中に入ったと思った。


まだ大会の最中だ。


「最後の蟻音君、この中で好きなおかずを選んで下さい」

「じゃあ、TE○GAで」


僕は残っているおかずの中で最も強力そうなものを選んだ。葉阿戸の写真は3年の南波に先取りされていて、2年はグラビア雑誌を選んだようだ。

例えばおっぱいボールや、マイナーのアニメキャラのフィギュアなど、先輩たちのおかずはふざけたものばかりだった。


『さてさて、3年生の部から10分が過ぎて2度目のマスターベーションの時間がやってまいりました。ここで一回戦の勝者を発表します。1年生、蟻音たい君。2年生、窪竜司君、3年生、軽場南波君です。おかずは好きなものを選んでます。1年生、期待の新星、蟻音たい君です。それではどうぞ!』


司会が喋ったその時だった。僕の顔からズームアウトしていく。


「けけけ、やっぱりTE○GAを選んだな」

「ふん、俺らをコケにした罰だ」


南波とモブは生徒会のテントの中にいる。

僕は息を潜める。無論、夢なのでその必要はないのだが。

中心にいる僕はTE○GAを使ってあそこから液体を出して飛ばそうとする。しかし、入れた瞬間、液体が出てきた。もちろんそれは精液ではない様子だ。TE○GAは抜こうとしても抜けない様に見えた。痛そうにしている。引きつらせている顔はタダのカモにしか見えなかった。



「たっぷり塗っておいた瞬間接着剤だ」とモブ。

「すみませんね、副会長。いくらか払うよ」


南波は財布を出す。


「え、え、いいよ、お金なんて」


白髪の混じった美少年だ。

見たことがあった。輦台に乗ってきた葉阿戸とじゃいに靴を履かせていた男子だ。


「葉阿戸様とじゃい君に怖い思いさせたから、そのツケだよ」

「新聞に載って調子に乗った罰だ。3年が1年に負けるのも悔しいしな。後は茂丸ってやつをこのナイフで刺せよ。トロフィー授与の時にでも、観衆に紛れてグサッと」

「死んだらどうするんだ」


モブが不安そうに身震いする。


「死にはしないよ。次しくじったら、お前の家の父が職を失うとでも思いな」


南波は卑劣な声色だった。




「たい、たい、起きろって」


バシ!

茂丸にビンタされて起きた。


「うーん、茂丸、今何時?」

「10時45分だ」

「ええ? 優勝者争いは終わったの?」


目覚めると体育館を一望できる空間にいた。


「それをこれから行うんだ、とりあえず下に降りよう」

「うん」

「まったく、俺がいなかったら寝過ごしてたところだぞ」

「ありがとう」


僕らが1階に降りると、生徒会の人に腕を掴まれた。


「たい君いました! 後は、窪竜司(くぼりゅうじ)先輩と、軽場南波先輩です」

「南波って3年のですか?」

「はい」

「あいつ勝ったのか!」

「そんなことより、君、ドーピングしてないかい?」


その人は瓶の薬を見せてきた。

僕はズボンのポケットに入れてあったED薬がないことに気がつく。


「え? EDの薬ってドーピングなんですか? ネットで見たけど、バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)は2024年禁止表国際基準にリスト入りしておらず、現在も禁止薬物に指定されておりませんのでご安心下さいって書いてありました。その中に入っている錠剤はヨーグルトの味がしたからシアリスだと思いますけど」

「これは君が買ったもの?」

「父がくれました。ED薬といって」

「お父さんに確認とれる?」

「そろそろ仕事が昼休みでとれると思います。多分几帳面なので薬の外箱の写真も持ってるかと」

「その証拠があれば十分だ。私も調べてみる」

「バイアグラ ドーピング  で調べればでてくると思います」

「この大会だと不正のような感じもあるんだよねぇ」

「1枚上だったってだけですよ。父に電話してみます」


プルル、プルル、プルル。

発信音が3回なった。


『もしもし』

「もしもし、僕だけど。今日もらったあの薬ってシアリス?」

『ああ、そうだが』

『その薬の外箱の写真持ってない?』

『あるよ』

『じゃあ、メールに送付して送ってよ』

『了解』

『ドーピングだと疑われてるから、なるべく早くね』

『分かった』


電話は速攻で切られた。後はメールが来るのを待つだけだ。


「堅物な感じするね」

「はっちゃけないタイプですよ」


そう言ってるとメールが来た。

シアリスと書かれた外箱の写真が送付してあった。


「この薬が合法か協議します」


生徒会の人は皆集まってこそこそと会話している。


「ところで、茂丸、あんたを狙っている人がこの会場内にいる。トロフィー授与の時は必ず先生。山田先生の傍にいろよ。脳筋だから犯人を殴ってくれそうだからな」

「また例の夢? あ、もしかしてあいつらか」

「そう、まだこりてないみたい」

「たいは大丈夫か?」

「うん、僕はね」


僕は下半身を脱いだ。


「最後の蟻音君、この中で好きなおかずを選んで下さい」

「うん、これにするよ」

『さてさて、3年生の部から10分が過ぎて2度目のマスターベーションの時間がやってまいりました。ここで一回戦の勝者を発表します。1年生、蟻音たい君。2年生、窪竜司君、3年生、軽場南波君です。おかずは好きなものを選んでます。1年生、期待の新星、蟻音たい君です。それではどうぞ!』


司会者に急かされ、僕はあるものを持って歩いた。

ざわざわ。


「「「たいー頑張れ!」」」

「と・ば・せ! と・ば・せ!」


皆が見ている。

『3分間スタート!』

「僕は」


僕はキューピーちゃん人形を机に置いた。そしてキューピーちゃん人形を目を閉じて触る。時間内に触り、舐める。


「葉阿戸、うあっくぅ!!!!」


僕はそこに葉阿戸がいるかのように思い切り精液を抜いた。


『出しましたー! 心悸亢進といったところでしょう! 只今測定、精液除去をしています』


その放送を聞きながら、僕はすんとした顔で引き返して行った。


『今の記録は68センチです』

「まあまあだな」

「たい君、2階へどうぞ。よく頑張りました」


生徒会員は小さな旗を振りながら、案内する。


「ありがとう」


僕は2階の奥の椅子に座った。体育館全体が見える。

次は2年生だ。


『さあ、次は期待の優勝候補、2年生の窪竜司君です。去年では2位で銀のトロフィーの実力者です! お手並み拝見しましょう』


坊主頭の濃い顔の男子がグラビア雑誌を片手に、前進している。


「「「頑張れー」」」

「「「負けるなー」」」


会場は盛り上がりを見せる。


「「「ああっ」」」


竜司は体育館履きの紐を踏んで転倒した。


「痛ーーー!!!」


そういう彼を見ると、股間をおさえている。


「まさかの、ちんこ骨折?」


僕はじっくり彼を見る。どうやら棄権を宣言したようだ。真っ赤な顔と汗が目立っている。それは大事なところに損傷を受けた事を物語っていた。


『ここで波乱の展開が待ち受けておりました! 竜司くんは棄権を決定! 金賞か銀賞の争いに変わりました』


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