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111/120

111 2年生大会当日4

2回戦目。


『1番は1年生、”ふうるう君”です。準備のほどはよろしいですか。それではスタート!』


レッドカーペットを歩く”ふうるう君”はすでに勃起している。

ED薬を拵えてきたのだろう。

TENGAフリップを手に持っている。


「やばいな」

「たー君、日和ってるの?」

「いや、日和ってないですよ」


僕はことの成り行きを静かに見守った。

ふうるう君はカーペットに座ってTENGAを使用している。


「ぬは!」


いきなり立ち上がり、マットに出した。

距離は大して出ていない。



『今の記録を測定した結果、40センチでした!  続いて2年生、”蟻音たい”です。只今、精液除去中です。しばらくお待ち下さい。……はい、お待たせしました』


司会の声に僕は動悸がしてきた。

(ここに居たくない。苦しい)


「たいー! 頑張れ!」


状況を一変させたのは葉阿戸の声援だった。


「葉阿戸」


僕は気を取り直しておかずを持ち上げる。AVの映画用セットだ。タブレットの上にポップコーンとジュースを乗せて運ぶ。生徒会のテントと向かい側の机の上に置く。キョロキョロと葉阿戸を探した。葉阿戸を見つけた。神妙な面持ちで葉阿戸から目を離さずにタブレットを操作した。


『あっあっ』

「僕はあんたが好きだよ!」


僕は硬くなったあそこをしごいた。


「ング!」


葉阿戸と目を合わせながらフィニッシュした。

マットの左側ギリギリに迫っていた。

モンが測りに来る。トランシーバーのようなもので飛距離を伝えている。


『今の記録48センチでした! 続いて3年生、”生徒会長”です。只今、精液除去中です。しばらくお待ち下さい』

「それだけ? 本当に?」

「蟻音は生徒会に仇なす者なのか?」


モンは小声で僕を窺い見る。


「いや、いいです、僕が悪かった」


僕はすごすごと帰っていった。


『はい、お待たせいたしました。最後を飾るは我らのボス、”生徒会長です”、ラブドールを片手で抱えています。48センチを超えられるか? はたまた出が悪いか? 1世1代の大勝負です』


滑舌よく生徒会員が話している。


「ちぇ! 僕の時は尺が短かったのに! 贔屓だ」

「たー君、この局面、勝たせてもらうよ」


拓哉がテントの外にいた僕の肩に手をおいて唾を拭く。


「いや! 汚い」

「蟻音君、生徒会長の唾を付けておくっていうのは至高の栄誉ですよ」

「”唾付けとく”の意味違いだろ、それ」


僕とモンが会話していると、拓哉は小走りでレッドカーペットの敷いてあるギリギリまで着いた。そして、”ドールちゃん”と正常位でおっぱじめる。


「「「会長頑張れ!」」」

『決まったー! インしました! これはゴールするのではないでしょうか?』

「いつから、サッカーの試合みたくなったんだよ! インしましたじゃねえよ!!」


僕はツッコミが追いつかなくなりそうなので、2階に向かった。


「フン!」


拓哉はマットに精液をぶちまけた。


「負けたかな? 頼む、飛ぶな!」


僕はドキドキ感でいっぱいだった。

モンのきれいな顔が鳩に豆鉄砲食らった顔をしていた。


『ななな、何ということでしょう! 飛距離、48センチ、並びました! これより3回戦が行われます』

「おい、茶番やめろよ、会長の勝ちだろう?」というブーイングに対して、副会長のモンは言い返した。


『決して茶番ではありません! えこひいきもしてません! 不満があるなら中央にお集まりください、そして10分後に着席してください。3回戦を行います。おかずは自身の妄想です。以上、生徒会からでした』


生徒会は収集をつけた。

僕は拓哉の圧力から離れたかった。

(怖い! ベッドで丸くなりたい。もう負けるか?)

そう思わせるほどだった。

僕は2階から下に降りて、1階の2年3組の陣地まで行った。


「たい、君はよく頑張ったよ。もう疲れたろ? 時間まで休んでな?」


葉阿戸は着崩した学ラン姿で僕を迎えてくれた。


「いいや、最後の勝負、頑張るよ」


僕は葉阿戸に抱きついた。


「無理だけはするなよ」


葉阿戸からは柑橘系の制汗剤の香りがした。


「うん、ありがとう」


僕は、いつもの葉阿戸だと安心した。


約10分、葉阿戸の笑顔に眼福を得て、テントまで走った。


『泣いても笑っても、最終試合です。2年3組、”蟻音たい”VS3年1組、”生徒会長”5分間の1本勝負。ここに開幕ーーー!』


僕と拓哉は一緒の歩幅にお互い真似しながらカーペットを歩いた。


「ようやく俺のライバルと真剣勝負ができる! 3分間待ってやる」

「そんな悠長なこと言っていていいのですか? 僕の彼氏でもう妄想力は抜群なんですが」

「「いざ勝負!」」


僕は瞳を閉じた。瞼の奥の奥でひまわり畑に白いリボンの麦わら帽子に白いワンピースの葉阿戸が浮かんだ。


「これは健全な話だ! もっといやらしい妄想しろ!」


僕は自分の頭を机に叩きつけた。


「……大丈夫か? 棄権するか?」

「それは頭の心配ですか? 大丈夫です」

「しょうがないやつだな。ちんこ出せ、俺が抜いてやる」

「はい? あ、ああ!」


僕は自分のあそこに粘膜の感覚がした。

フェラされていた。


「く! ダメですう、やめてください、わああっ」


僕は身を引っ込むと、マットにアレを出して果てた。


「たー君、君の勝利だ」


拓哉の声とマットに転がる僕は顔射されているのに気がついた。


「何?」

僕は全身の疲れにより立ち上がれなかった。

(最初からそのつもりで?)


「「「わーーー!」」」

「「「おめでとう、たい!」」」

「「「会長、お疲れ様です」」」


歓声が聞こえてきた。体育館内に響き渡る。

何が起こっているのだろう。ひょいと、僕の体が持ち上がった。

僕は拓哉の乳首が僕の肘に当たる感覚がした。お姫様抱っこでレッドカーペットを進んでいた。


「保健室でしばらく寝てなさい。代わりはたー君の彼氏に任せる」


その言葉とともにの目の前は真っ暗になった。



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