108 2年生大会前日2&大会当日
次の日。
僕と黄色は赤いカーペットの上を歩いた。
ざわざわ。
もう人がぞろぞろと集まっている。どうやら僕らで最後のようだ。部屋が温かい。
「お集まりの諸君、会長の俺が直々説明を行うのでよく聞き給え」
マイクが声を拾った。
「明日は記念すべき第3回目の飛距離大会が行われる。くれぐれも不正はしないように。不正が分かったら即退室して失格となる。ED薬は使っても構わないが、くれぐれも麻薬などの禁止薬物には手を出さないように。それから自身の体におかずを作ることも禁止されている。それでは金一封、賞状、トロフィー、記念品のプレゼントを射精の飛距離という争奪戦で争ってもらう。俺も出るんだ。皆よろしく頼む。以上だ」
「会長の雷神からでした。とりあえず、下半身を晒してください。予行演習を行います」
モンの声色は冷静沈着だ。
僕はズボンとトランクスを脱いだ。
「3年生から」
モンは放送室からこちらを覗いている。
3年生はカーペットを進んだ先のギリギリで、6人横一列に並んだ。
「はい、出したとしましょう。戻ってください。次、2年生」
モンに言われて僕らは歩き出した。
3年生は振り返り戻って来る。
拓哉のあそこはすでに勃起していて、ビックマグナムのようだ。
「おい、たい、葉阿戸といちじゃなかったのか?」
そういう茂丸を無視した。
「次は1年生」
まだあどけない1年生が前に出る。
「可愛いちんこだな」
黄色が言う。
「黄色、あんたも言える義理ないだろ」
「俺のほうがデカいもん」
「変わらないけどな」
「んだと? 顔射されたいのか」
「やめろ、想像しちゃうだろ」
「包茎のくせして」
「包茎は関係ないだろ」
僕らは言い合いする。
「それでは衣類を着て、気をつけて帰ってください」
いつの間にか予行演習が終わった。
◇
次の日。
大会当日。
「大会だあ」
僕は2階から降りると父にとうせんぼうされた。
「たい、これ」
「ED薬?」
「うん、使うでしょ?」
「ありがとう」
僕らは母に気づかれないようにこっそりと受け渡した。
僕はリビングに座り朝ごはんを食べた。
そして、弁当を受け取り、外へ出る。
学校についた。
『3組の皆へ。今日は便座に座らない、トイレは職員室トイレへ』
黒板に書かれた文字に既視感を覚えた。
僕は弁当や使わないものをロッカーに入れた。リュックは机の上だ。
「おはよう、皆」
「「「おはよう、たい」」」
3組の皆は便座の横で立ち話をしている。
「たい、俺、緊張してきた……」
「はい、薬。勃つやつ」
僕はED薬を1錠こっそりとあげる。
「さすが、たい。ありがと」
「どういたしまして」
キンコンカンコーン
がらら。
橋本先生が見えた。
「おはようー、今日は飛距離大会だ、蟻音ー、如月ー、分かってるよなー」
「人のおかずでオナろうとしていたのに、いけしゃあしゃあと」
「なんだー? たー君、先生に文句かー? 減点するぞ〜?」
「なんでもないです」
「それではー、各自並んでー、名前の順なー、蟻音と如月は一番前でー」
「「「はーい」」」
どよどよ。
生徒が一箇所に集まって熱気がすごい。
そして大会が始まる。
『それではこれよりマスターベータソン日本版、飛距離大会を開催します、時間も限られているので早速スタートです。1年1組からの出場、1人目、”ジャガピー”です、レッツゴー』
「よろしくお願いします!」
真面目な性格のようだ。
僕はこの変態の集まる大会で潰されてしまわないか不安になった。
「「「頑張れー!」」」
皆が応援するなか、レッドカーペットの端から端へ移動した。
(さあ、気になるおかずは?)
レッドカーペットの最先端の机の上の段ボールをジャガピーが勢いよく持ち上げる。
皿にのせられている緑色の固形物だ。大量にのせられている。
「「「玉ねぎのみじん切りだー! おっと、これは目が痛いー!!!」」」
ジャガピーは目を片手で押さえる。
『時間切れ、10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0。終了ー!!! 何ということでしょう初戦、不発に終わりました!』と司会が根を詰めてアナウンスする。
「あんなのありかよ」
「あれは今朝、切ったものだ」
茂丸は口の左側だけを笑わせている。
「犯人お前かよ! 茂丸」
「フン! ガキは世間の荒波に揉まれればいい」
「今回の大会は、おかずがマジでランダムなんだな」
「そうだ。ランダムだ」
モンが僕らのいるテントで喋る。
「モン、会長に良い物出したら不正だぞ」
「私をお前と一緒にしないでもらいたい。ちゃんと公平に分けられている」
モンはおかずと段ボールを置く作業をしに行った。
わずか3分のうちに済ませる。
『続きまして1年1組の2人目”俺だ俺だ俺だ”です、レッツゴー』
司会の声を聞きながら、”俺だ俺だ俺だ”からじっと目を離さない僕がいた。
彼は前に象の散歩のように歩いた。
『おかずがなんと月刊マカシンです』
「あれは俺の!」と洲瑠夜が呟く。
竹刀といい、考えることが兄弟一緒だ。
エロい漫画を発見したのか、シコりだす”俺だ俺だ俺だ”。
「うっ!!!」
『出ましたー』
生徒会員が測りを使って測る。
『今の記録、38センチでした。続いて、1年2組ふうるう君。只今、精液除去中です、しばらくお待ち下さい』
司会は皆を静かにさせる。
僕は行く末を気にしていた。
おかずはおっぱいボール、うんこ、ありを育てる知育セット(すでに巣を作っている)、和矢の肖像画。
2年の部に切り替わる。
おかずはゲイのアダルトビデオ、可愛い二次元の女子の抱き枕、TENGA、女性の下着。
皆、飛ばしても20〜50センチだ。
◇
しばらくして、ついに僕の出番がやってきた。
がらがらと生徒会員がワゴンで何かを運んでいる。
段ボールから薄橙色の手足が見える。見間違いでなければ、あの手のおかずは僕の持参したおかずだ。段ボールに入り切らなかったのだ。予感は的中、僕の思った通り、2人が人形をちらりと見せて机の上ギリギリに置いた。
『続きまして、2年3組1人目、昨年の優勝者、今年の優勝候補、”蟻音たい”です! レッツゴー』
「良かった! 奇跡が起きたんだ!」
僕は神様の祝福に感謝した。段ボールに歩み寄る。
”ドールちゃん”は四つん這いにさせてあった。
おしりの厚みも人間のようだ。
僕は思い切り勃起していた。”ドールちゃん”をカーペットに座らせてバックから試すことにした。そして僕のあそこは”ドールちゃん”のあそことドッキングした。おしりに手をおいて後ろから突き入れる。
「すごい! 快楽、やべえ!」
僕ははあはあと興奮しながら疑似セックスをしている。
「「「何やってんだ! 昼間っからヤッてんじゃねえよ!」」」
皆が笑いながら一斉に野次を飛ばした。
『1人で楽しんでいるところ申し訳ないですが、残り10秒、9、8』
「ああ、そうだった」
僕は「5」という言葉を聞いて、大事な部分を引っこ抜いた。
「うぅ! イク!」
3秒前の僕はマットにマッドのように出した。精液は広く長く飛んでいった。
『これは前代未聞だー! 今の記録1メートル46センチでした! 続いて、2年3組、”黄色ちゃん”です。只今、精液除去中です、しばらくお待ち下さい』
僕は小さくガッツポーズをとった。”ドールちゃん”を正常に座らせ、撫でて、入口付近へとんぼ返りする。皆の拍手や羨望の眼差しが気持ちいい。戻ると、黄色に抱きしめられた。
「よくやったな! 勝ちは決まりだよ」
「そうかな? へへへ、あんたも頑張れよ!」
「おう!」
「蟻音君、2階の特等席にどうぞ」
「はい」
僕は返事をして、階段を登った。