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免疫魔法でパンデミック無双  作者: 免疫うーず
2/3

光を洗い流せし洗礼を受けせし第壱話

 

 ――ギィ……

 

 

 冒険者ギルドにいた全員の意識が入口へ向く。

 

 

 無数の獰猛な沈黙が肉体へと食い込み――その身を穿つ。

 

 

 使い込まれた武具を身に着けた猛者たちの目が言っている。――ここはお前の来る場所じゃないと。

 

 

 ギシ……

 

 

 黒い装いに身を固めたその男は、踏みしめるようにゆっくりと歩を進める。

 

 

「――ヨォ。兄ちゃん、ここはテメェみたいな奴が居ていい場所じゃねぇ―んだよ! 怪我しねぇうちに、とっととお家に帰ってママのおっぱいでも吸ってな」

 

 ――ギャハハハ……

 

「――どいてくれ。冒険者登録を済ませたいんだ」

「てめぇが? 冒険者ァ? ムリムリムリムリ!」

 

 ――ギャハハハ……

 いいぞ! もっと言ってやれ!

 

 オーディエンスから心無い言葉が投げかけられる。

 

「俺が試験してやるよ! 耐久試験だぁ!」

 

 バキ

 

 男は拳を受けて為す術なく扉へ(もた)れ掛った。

 

 

 

「――フ、見ていられんな……」

 

 黒いテンガロンハットを掌で顔を隠す様に目深にかぶり、(おもむろ)に立ち上がると男を殴り飛ばした冒険者へと近づいていった。

 

「ルーキー相手にそこまでにしたらどうだ」

「ああ!? てめぇにゃぁ関係ねぇだろがい!」

 

 バキ

 

「ぐぇ」

 

 (よわ)っ!

 出たー! 張り子のディルの壱八番!

 出たらすぐ引っ込む。ピストン芸!

 ――ギャハハハ……

 

 

 テンガロンハットの男は一撃で崩れ落ちた。あまりにも勢いよく吹き飛んだので受付嬢が心配して声をかける。

 

「ちょっと、大丈夫?」

「大丈夫、ちょっと休めば平気……」

(――それって。死亡フラグ……)

 

 

 ユラ……

 

 

 そのとき扉の横で座り込んでいた男はゆっくりと立ち上がった。

 

「なんだぁ? まだ殴られたりねぇのかぁ!」

 

 立ち上がりかけた男へ助走をつけたトゥーキックが深々とめり込む。

 

 

 

「ギャァァァァァァァァ!」

 

 だが、悲鳴をあげたのは蹴った方だった。

 

 

 ――なんだ!?

 

 想定と180度ちがう結果に冒険者ギルド内は騒然となる。

 

 

「【物理免疫】」

 

 

 

 ――――

 

 

 

 カラン……

 

 

 予想外の展開にオーディエンスの手から落ちたコップは床を転がり、扉に立つ闇色のコートの男の黒いブーツで止まった。

 

「死者に鞭打つ「いや、死んでませんから!」哀れなる悪逆の徒よ。己の罪に沈め」

 

 ――漆黒のオルオムは入口の光を閉ざす。そして足を大股に開き腕を振り上げ穴あきグローブで顔と入口を覆った!

 外には人だかりが出来ている!

 大変めいわくだ!

 

 

 

「営業妨害はやめてくださいね」

「――ええと。我は……」

「……」

「……ごめんなさい。」

 

 オルオムはごめんなさいしたあと、入口に近い椅子に座り体育座りをして小さくなったでのであった。

 

 

 

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