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我らが強き連邦を~対異界侵攻戦役~  作者: 連邦軍戦史記録課█████中将
第一章 星の祈り作戦
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Ep 1-1 開門事変 

突如として現れたのは神話に描かれる様な神殿であった

読者の方には古代ローマやギリシャのパルテノン神殿を思い浮かべてくればちょうどいい

その一面が石造りの扉となっており、表面には両手首を鎖に繋がれ吊るされている長髪の女性が彫られている


「あ、こんな時になんですが名前を聞いても?」


「あぁ、言ってなかったな。俺はミハイル・クズネツォフ。第14親衛防空軍所属。んでこの銀髪のが」


「銀髪のっていうな。アレクセイ・アスカロフ。所属は同じ、グーズの相方やってるよ」


「お二人ともパイロットだったり?」


「そうだ、休暇入ったから興味本位で来たらこんなことに巻き込まれちまった」


そう言って歩道橋の上から辺りを見渡すと、いつのまにか空挺軍のBTR-90やティーグルが封鎖線の内側に停車し、その30mmやKordを扉に指向していた


またドタドタと足音がしたので何かと目を向けると、AGS-30やRPGを担いだ重装部隊が駆け上ってきていた

そのままクロスファイアを組む様にAGSを設置、門に対し30mm機関砲に擲弾銃、12.7mmに多数の小銃が向けられていた

俺たちに横には機関銃射手とライフルマンが2人来て、ついでに人数分のヘッドセット持ってきてくれた


「クソ、あの門いつ開くんだよ。どんだけ待ってりゃいいんだ」


「そう愚痴を溢すな。あの門の屋根に付いてる砂時計みたいなのは見えるな?」


「なんだアンタ、わかるのか?」


「アンタも軍人なクチか。あぁ、さっき国内軍の奴に聞いたんだがな、あの砂時計がひっくり返ると門が開くらしい。パウリカじゃ化け物が出てきて警察と国内軍で抑え込んでるとか。」


「冗談だろ。いやこんな馬鹿げた事が起こってるんだ、バケモンが出てきてもおかしかねえか」


その言葉を尻目に砂時計へ目を向ける。砂の残りから見て、時間はそうない

薬室を確認して、初弾が装填されているか確かめてセーフティをフルオートにし、手すりにハンドガードを預けて狙いを定める

ホロサイト越しの門は依然として沈黙していた


10分、いや1分もなかったかもしれないが、砂時計の最後の一粒が落ち切った、その瞬間

扉の向こうで、ガコン、と大きな仕掛けが動いた様な音と共に、地面と擦れる轟音を響かせながら、その門は開いた


「総員!戦闘準備!初弾装填の後狙いをつけろ!」


公園一帯にコッキングの金属音が鳴り響く

握りしめられたグリップは手汗に濡れ、ヘッドセット越しの音は嫌に静か………ではなかった


「足音か…..1人2人ではないな」


「あぁ、かなり多い。200はいるか?」


「.....重装備、だが足並みが揃って....敵は近代化された様な奴らでは無いのか....?」


〖アウスーグス1-1 門内に多数の熱源反応を確認....なんだこれは......盾..か?〗


〖アウスーグス1-1 詳細を報告しろ〗


〖門内で横隊を組み、盾を構えていると思しき人影を確認。距離おおよそ90m......発砲許可を〗


BTRからの報告は、にわかには信じがたい物だった

距離90m、BTRと門の距離を勘定に入れればアイツらが門を出るまであと70mと言ったところ


〖目標に動きあり....進行を停めて....道を開けています。この熱源は馬....?騎兵が来ます、発砲許可を!〗


わずか数十m先で、状況は刻一刻と変化していた。

歩道橋の上じゃ、遅々として進まないように見えているのに


だが門の外でも変化はあった、風を叩く様な音がビルの間を反射して耳に届いていた

1つ、2つ、3つ

それぞれの音がまばらに重なって、どの方向から来るのかが分からない


門から目を背け、視界をコンクリートジャングルへ移す

人類文明の象徴、陽炎に歪む高層建築の合間から、3機の影がこちらへ飛んでくる


〖ガーゴイル小隊、国道342号を南下中。到着まで40〗


〖チェッカー了解、小隊の編成並びに装備を報告せよ〗


〖現在Ka-60Mを2機、Mi-28NMが1機の3機編隊で行動中、武装は30m機関砲1門250発、S-8ロケット40発、9M120対戦車誘導弾16発を装備し急行中、Ka-60は兵員6名を乗せ我に追従中〗


〖了解、不意の戦闘に備えハヴォックは距離900を保ち待機せよ〗


〖ガーゴイル1了解〗


連邦領土内6箇所 領海上2箇所

広和大列島6箇所 領海上1箇所

計15箇所に出現した『門』は、

その全てから例外無く『化け物』が出現、各国軍と交戦に陥った

この一連の基底世界における戦闘は、後にこう呼称された


『開門事変』と

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