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我らが強き連邦を~対異界侵攻戦役~  作者: 連邦軍戦史記録課█████中将
第一章 星の祈り作戦
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Ep 1-8 中段作戦 ГИ-1接触作戦

作戦兵力 歩兵 26 AFV 3 IFV 2 APC 1 SPAAG 1


戦闘予想地域の情報 草原 昼 晴れ 非交戦状態

敵予想兵力 400~600 旧式固定兵器多数


アリストス・バルツァフ上級大将

東方総軍未知領域派遣軍司令に就任

基底世界時間 22時間35分

未知領域仮定時間 9時35分


「ドラゴン、もう1匹来ました....あちらの方がデカいです」


「.....こっち向いてないか?」


双眼鏡越し、視線が交った瞬間に本能的な恐怖が襲い来る。

古代に我々の先祖が感じた、肉食竜に対する危険信号、それが数万年の時を超えて再び蘇ったのだ


「撃ちますか?!大佐」


「撃つな。交戦規定を満たしていない」


データリンクを通し各車のFCSをロックする

画面から目を話した隙に、竜が壁を降りて地を這って近付いてくる


「操縦手、前に出せ。接触する」


「ちょっと大佐!それは流石に」


「貴様は分からなかったか?あの竜の動きに」


「何を言って?!」


「戦い方だ。本能的な殺戮ではなく、何らかの規定に沿って戦っていた。壁の中や地下へ炎を流し、壁上の人間は質量と体格を活かして叩き潰していた。」


「だからなんだってんです!それはただヤツららが残虐に人を殺す化け物だって証明にしかッ!」


「違う。敵を効率的に殺し、そして識別している証拠だ。つまりアイツらが高度な思考能力を持ち、その上で今戦う意思が無いこと示している。四の五の言うな、進めろ」


「...Да」


━━━━━━━━━━━━━━━


戦車1両、竜2匹。

異界の地、はじめて言葉を交わした生物は.....


「貴殿、人の子に関わらず竜種と話さんとするとは......我が生を受けて700余年、初の者である。名を申せ、しばし話そうぞ」


ドラゴンであった


「......ジーナ・アリサ。特務大佐だ、そちらも名乗って頂きたい」


「ほう、我が名はデバルト。先代の皇魔陛下より下賜頂いた名である」


「デバルト....良い名だ。そちらの竜はなんと」


「こやつは未熟が故に名を持たん。本来は今日、皇魔殿下に下賜頂くはずであったが、予想外の事が起こってな」


「この遭遇だな?それはすまなかった」


「構わん、では本題に入ろうぞ。」


「貴殿、いや貴殿ら異形を操る軍勢、一体何処からこの地に来たのだ。あの蛮族と姿形は似通うが.....魂の出処が違う。」


「私達は、祖国の地に開いた門を通ってこの地に来た」


「なっ貴様ら!門を通って.....!」


そう動揺した瞬間、別の竜に首をむけた

その竜も動揺している様で、信じられない事を聞いた様に瞳孔を開いていた


「お前!今すぐ皇都に向かい報告せい!俺の名を出せば通される!」


「っわかりましたッ!最高速で行きます!」


「非常事態なのか。門まで案内するか?」


「頼む.....門に関する事、聞かせてくれ。この世界の行く末に関するかもしれないんだ」


「承った。コルコス全体、作戦を中断し帰投する。砦は第2機甲小隊と工兵に調査させよう」


━━━━━━━━━━━━━━━

同日 基底世界時間 23時30分

未知領域 仮定時間 10時30分


「で、このドラゴンをここに連れてきたと」


「そうです閣下」


「貴殿がこの軍勢の最高司令官か」


「うん、昨日正式に就任した。それでこの門がこの世界の行く末にどう関わるってんだい」


「それを話すには、今我々がどう言う状況か説明するべきなのだろう」


───────────────────────┐


我々魔族は今、海を越えた向こうの世界連合軍と戦争を行っている

発端は300...350年前程

我々が『神縛の楔』への遠征を目的に海向こうの4ヶ国と国内進行の条約締結を行いに遣いを送った事だ


しかし何の因果か、その4ヵ国はいずれも反魔族かつ神聖国家だったのだ

奴らは我らを『神縛の楔の破壊』を目的にした神の敵であるとして一方的に宣戦を布告した

かつて我々が保持した2つの『楔』も、大陸の領土失陥により遂にこのエグラント島の1つを残すのみとなったのだ


そして神縛の楔についてだ

これは世界各地6ヶ所に存在する神域と特殊な柱を表す言葉だ

この楔は全世界に存在する魔力を統括する物で、定期的な魔力の放出を行わなければ広範囲かつ高濃度の魔力汚染空間を作り出す


しかしこれがなければ世界はやがて魔力に埋め尽くされ、何者も住めない不毛の地となってしまうのだ

太古の時代より楔の管理は高位魔族が行っており、それは人間の領土に飲み込まれても尚続いていたのだが、ある時状況が変わった


とある国が楔への遠征を拒否したのだ

再三の申し出にもかかわらずその国は遠征を拒み、そして魔力放出が叶わず、楔は魔力汚染空間を作り出した


その国はこれを魔族の行いとして我らと戦争を始めた

その国に加勢する者は居らず、我らは戦争に勝利した


しかし問題は消えなかった

魔力汚染空間から、『魔物』が出現したのだ

我ら魔族とは似て非なる下等生物、しかし奴らはその数を利用して人魔両方の地域を食い荒らした


人間は魔族と魔物を同一視して迫害した

それが続いて数百年、歪みに歪んだ魔族への価値観が此度の戦争を引き起こした、という訳である


そして最後、なぜ門の出現が両世界の存亡に関わるのか

まず、楔の魔力汚染空間の性質が関係する

異なる楔から成る魔力汚染空間が接触した時、余りにも大規模な魔力汚染空間が発生する

これは連鎖的に続き世界を飲み込むのだ

太古の時代に発生した『大魔力汚染期』はこれによって起きたと言われている

その時は当時の皇魔陛下がエグラント島に大結界を貼り、苦難の時代を乗り越えた


しかし門が発生した今、大陸で大魔力汚染が発生した時、大陸の門からそちらの世界を通じて、エグラント島に魔力が漏れ出てくる

これではエグラント島もそちらの世界も大魔力汚染に晒され、文明が滅ぶのだ


───────────────────────┘


「.......スケールがデカい。しかしそれが本当ならば、早急に対応すべき事案となるね」


「直ぐさま信じよとは言わん。しかし誇り高き老龍種に誓って嘘は言っておらん」


「しかし、ここ一体を範囲外にして結界とヤラを貼れば防げるのではないか?なぜそうしないんだい?」


「それはここ一体が、このエグラント島の食料の60%あまりを生産しているからだ。此処を1度切り放せば、我らは飢えて野垂れ死ぬ。」


「我らは此処を絶対防衛戦として敵を食い止めておるが限界だ。」


「言いたい事は分かるさ。手を組みたいのだろう」


「話が早くて助かる。我々はいま泥濘に嵌った2匹の竜、互いに争えば泥の中に身を沈め息絶える事となる」


「我々は手を組み、そして共にこの窮地より脱し、世に平穏と安寧を取り戻そうぞ」

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