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The Anotherworld In The Game. Ending  作者: 北丘淳士
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京香編 7-4

 しばらく数学の基礎から教えて、問題集もやらせてみた。まだ基礎を鍛えなくてはいけないと思ったが、一時間ほどして「休憩しましょうか」と京香は催促した。

「そうだね。初日から根詰めてもバテるだろうし」と言った瞬間、京香はテーブルから身を乗り出し、突然唇にキスをしてきた。咄嗟のことにびっくりしてしまったが、俺はそのキスを受け入れた。京香の小さい舌が俺の口の中に入ってくる。俺はその舌に自分の舌を絡めた。何秒、いや何分キスをしていたか分からなくなるほど、俺は京香と心が一つになるような感覚に包まれていた。そして京香は体勢がきつくなったのか、自分から唇を離した。京香は自分のクッションにペタンと座り直し、俺を見つめている。彼女のいつもの締まりのある顔が、熱病にかかったかのように呆然としている。

 今まで俺を想い続けていたこと、俺のために行動してくれた甲斐甲斐しさも交じり、愛おしさや庇護欲が、脳や心臓から湧出した。

 ああ、これが人を好きになるってことか……。

「涼様、私、覚悟は出来ています」

 俺だって年頃の男だ。何の覚悟かすぐに分かったが、「あ、ごめん。コンドームを持ってないんだ」と後頭部をわしわし掻きながら答えた。自分の顔が熱い。おそらく俺も赤面しているんだろう。

「それなら、あります」そう言って立ち上がり、机の引き出しから小さな箱を取り出した。「これ、ですよね」

『激薄』と書かれた小さな箱だった。

「は? なんで京香が持っているの?」

「お母様に……、涼様と付き合うことになったと報告したその日に、『これを持ち歩きなさい』と言われまして」

 あの人は……。頭痛くなってきた。

 京香はコンドームを片手ににじり寄ってきた。

「まだ明るいよ?」

「はい大丈夫です。涼様の顔を見ながら、……しないと、何だか不安で。ただカーテンは閉めて欲しいです」

「あ、じゃあシャワーを……」

「シャワーなら先ほど浴びました」

「いや、俺の……」

「涼様は良いのです! 涼様の匂いだから」

『激薄』の箱が京香の手の中で潰れかけている。決意が出来ている京香に、これ以上恥をかかせる訳にはいけない。

「分かった」そう言って俺は立ち上がり、京香のベッドに片膝ついて、ベッドサイドの遮光カーテンを閉めた。だが室内は、まだうっすら明るい。

 俺の鼓動は速くなる。いつかは来るだろう、と思っていた事が、夏休みに来てしまうなんて。

 そう思って振り返ると、京香は薄水色のワンピースを脱ぎ始めていた。俺は思わず彼女に背を向ける。衣擦れの音がし、やがてその音が終わったと思えば、京香は背後から俺に抱きついて来た。豊かな胸が背中に当たる。まだブラは付けたままのようだった。

「ん? 京香、Fカップになった?」つい俺のセンサーが反応する。

 京香はしばらく黙ったあと、「はい、最近ブラがきつくなってきたので、先日、母と買いに行きました」と正直に答える。

 俺は抱きついて来た京香の手を離して、彼女と向き合った。彼女は白い上下の下着だけだった。彼女を抱きしめた俺は、そのままベッドに倒れ込んだ。そして彼女に覆いかぶさる。

「怖くない?」と優しく声をかけた。

「大丈夫です。……涼様の顔が見えるので」

「そうか、抱くよ」と呟いた俺は、京香と再びキスをして、隙を見てTシャツを脱ぐ。そして京香の背中に腕を回し、ブラのホックに指をかけた。京香が自分から少し空間を作ってくれたこともあって、少し手間取ったが何とかホックを外すことが出来た。肌から浮いたブラをゆっくりと上にずらした。白い肌にピンク色の蕾が露わになる。

 京香は自分の手の甲を噛むように赤い顔を隠し、横を向いていた。

「京香……」と言いながら、俺は彼女の胸をすくう様に揉みはじめた。そして空いている口で、左乳首を舌先で転がしたり、吸ったりした。時折左手で右の乳首も刺激する。時々彼女の身体がビクビクと、痙攣するように反応していた。すでに乳首は立っていて、白い肌はピンク色に染まっている。

「綺麗だよ、京香」と声をかけ、出来るだけ緊張を和らげようとした。

 そのうち左乳首の愛撫を止め、右の乳房を揉みながら、口元を隠していた京香とキスをした。

 まるで何か違法性のあるクスリを飲んだかのように、彼女の表情がだらしなくなっていた。

 京香とキスをしながら俺は右手で自分のベルトをほどき、ジーンズを脱いだ。それと同時に彼女の耳や首筋を舌で愛撫する。時より喘ぎながら京香はその愛撫を受け入れていた。

「涼様……、初めてではないのですか?」と喘いでる途中に、京香は俺の目を見ながら疑問を挟んできた。

「いいや、初めてだよ」

「何か、手慣れているように感じるのですが」

「何ていうか、オスの本能というか……」そう言いながら、俺の左手は京香の乳首を離れ、綺麗に縦に切れたヘソをなぞり、肌に沿ってレースのショーツに指をかけた。その瞬間、京香がビクッと反応する。

「大丈夫?」

「……はい」と彼女は小さく答えた。

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