04. 何もかもがあなたのせいなら
「おまえのせいで負けたんだ」
中学か、高校のときだったか。それも自分に向けて言われた言葉かどうかも今となっては忘れてしまった。
けれど、その言葉だけは覚えている。
いまの時代、指導者が言ったのであれば喜んで取材が来そうな言葉ではある。しかし一昔前の部活動の指導では日常的に言われていたし、もしかしたら今も言われている人もいるかも知れない。
この言葉はしかし、本当にひどいし理不尽である。
例えば野球であれば、一度のミスで取られるのはせいぜい4点が限度であるのだし、それを言うならチャンスで三振したアイツはなぜ責められないのか、と当時は面白くない気分になった。
そしてこの理不尽は社会人となった今でも続いてる。
「おまえのせいで企画が通らなかった」などと平気で言われるかも知れない。
他の誰かの助力で避けられた失敗にも関わらず。
しかし、「おまえのせいで」というフレーズは考え方によってはとても救いがある、これ以上ないエールでもあるのだ。
裏を返せば「おまえなら事態を変えられたはず」ということなので。
それほどまでにあなたの存在は大きく、影響力もまた大きい。
だからどんなにどうしようもない状況でも、あなたのベストを尽くしてほしい。
そうすれば近い将来、「あなたのおかげで」と言われるかもしれない。
そのときは謙遜などせずに
「どういたしまして」
と言えれば良い。