01.グチに疲れているあなたへ
「あいつ調子のってね?あたしの陰口いってるらしいんだけど」
などという陰口ブーメラン発言が飛び交う日常を私たちは生きている。
「なんのこっちゃ」と私だったら聞き流すのだが、どうやら世の中には真面目で心優しい人間がいるらしく、他人の愚痴を聞いているうちに気分が沈んでしまうんだとか。
そんな優しいあなただから、相談相手に選ばれているとも言えるのだが。
賛同しても陰口の共犯になるし、否定すると今度は友達の機嫌を損ねるかもしれない。難しい問題である。なんと返すのが正解なのか。そんなことを考えるだけで疲れてしまう。
しかし、残念ながら友人は明日も、もしかすると今日これからあった先でも眉間にシワを寄せてまるであなたを責めるようにグチグチと言うかもしれない。
気休めにしかならないかもしれないが、ささやかなアドバイスを。
そんなときは事実にだけ注目する良い。
『あいつ』が調子に乗っているかどうかはわからない。
けれど少なくともなたの友人が面白くないと思っていることは事実であり。
さらに言えば、あなたが信用に足る人物だと思われていることもまた事実である。
だから、信用に足る友人であるところのあなたが「それが本当ならショックだよね。君はそんな人間じゃないから大丈夫」と賛同も否定もせずに共感と安心を伝えてあげるだけで充分なのだ。
間違ってもアドバイスなどしてはならない。あなたが責任を負うことなどないのだ。
そうこうしているうちに、二か月後には喧嘩していた二人がインスタにツーショットを載せていることもあるだろう。
そしてあなたは言う。「私のことは誘わないのかよ」