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第7話 クレハ
他には、最近できたクレハという少女がいる。
俺やキャロの友人だ。
歌姫として商店街のアイドル的な存在だ。
イベントの日なんかはひっぱりだこになっていた。
歌がとてもうまくて、補助なしで音魔法が使える天然ものらしい。
けれど、その力が強すぎてしまったために、ある計画に選ばれてしまった。
クレハは、長い間一人ぼっちで魔法を紡がなければならなくなったが、孤独を代償に世界の滅亡をかなりの期間遅らせる事ができるようになった。
人類が衰退していくだけの時間は余裕で守れるらしい。
それ自体は凄い事だと思うけど、友人を死地に追いやるみたいで、計画に納得できなかった。
でも、結局は最後までクレハの傍にいるために、クレハの意思を尊重するために、作戦に協力する事になった。
魔法を行使するために、外界から切り離されたクレハはいったいどれくらいの時間、一人ぼっちで過ごす事になるのだろう。