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第7話 いざ!空間拡張

雨がすごいですね…。私の家は無事でしたが、近くで土砂崩れも起きたりしてました……。怖いです。

空芽がやって来た次の日。

今日はマーサの家で遊ぶ。マーサの家はわからないのでミーシャが迎えに来てくれた。

「おはようアカリ〜」

「おはよーミーシャ!ちょっとまって」

わたしは急いで熊さんに荷物を詰め込んで首にかけるとミーシャの元へ向かう。

「いってきま~す」

「いってらっしゃ~い、夕方には帰ってきてね」 

「うん!」

外に出るとミーシャが待っていてくれた。

「ごめんね、待たせて」

「いいよいいよ~。行こう」

「うん」

マーサの家は冒険者ギルドの近くだった。ラーヴェとシーナが家の前に出ていた。

「あ、アカリ来た!」

「遅いよ~」

「ごめん~」

来たのはわたしが最後だったようだ。

「あ、アカリ来たのね。入って入って」

「おじゃましまーす」




「あ、そういえばアカリ、熊さんに何か物を入れた?」

「入れたよー」

「見して見して~!」

「いーよー」

わたしは熊さんから物を取り出す。

討伐のときに得た魔石、信仰祭のときに稼いだおこづかい、熊さんのお洋服、カスミお姉ちゃんからもらったきれいな石、冒険者として使う短剣、日本にいるときから使っているメモ帳、里奈お姉ちゃんからもらったペン、今日皆で食べるおやつ、ツーゼおばあちゃんにオマケでもらったハンカチ、ザルアお姉さんに持っていろと言われた石、カスミお姉ちゃんのお下がりの時計、極めつけに使わないからと里奈お姉ちゃんにもらったちょい大きめのタンス……。常に持っておきたいもの、置き場に困った物は熊さんへ!!

「ちょいちょいちょい!」

「アカリストップ!STOP!」

「絶対熊さんに入らないものと量が出てきてるよぉ~」

見せろと言ったのはラーヴェなのに、何故かラーヴェに止められる。さらに皆にも止められる。何故?

わたしは物を熊さんにしまっていく。

「……アカリは空間魔法が使えるの!?」

「マーサ、なんで分かったの」

「商人さんに聞いたことがあったのよ。空間魔法で空間の拡張ができるって!熊さんの空間を拡張したの?」

「…うん、そうだよ。でも、他の人に言わないでね、マーサ達を信じて言ってるんだから」

「「「「アカリ………!」」」」

なんとなく、なんとな~くだけど広まってはいけない気がした。

「ねぇアカリ!あたしの熊さんにも空間拡張してくれない!?」

「あたしも!」「私も私も!」「できれば私のも…」

ふむ。

わたしの熊さんに空間魔法をかけたときは魔力はそんなに使わなかった。全員分の熊さんにかけても使う魔力は3分の1程度だろう。

「いいよ!」

「やったー!」「アカリ大好きー!」「ありがとぉ~」「なんかごめんね、ありがとう!」

さて。早速やっちゃいましょう。

まずはマーサの熊さんから。

頭の中にはテレテッテッテ、テレテッテッテ、テレテッテッテッテ、テテテテテ♪と某30分クッキングのBGMが流れている。わたしは料理の人になった気分で工程を進めていく。

3秒イリュージョンのお時間です。今日は、みんなの熊さんのポケットの拡張をしていきます。まず、背中のポケットに手を当てます。次に目を閉じ、念じます。完成でーす!

「はい、できたよマーサ!何か大きいもの入れてみて」

マーサは恐る恐る近くにあった箱を手に取った。熊さんが三人余裕で入りそうな大きいもの。かなり思いきったね、マーサ!

箱はいかにも当たり前かのようにスゥッと熊さんのなかに入っていった。

「……すごい!アカリ、すごいよ!」

「すごい、ほんとに入っちゃった!」「次あたしのやって!」「そのつぎ私!」

次はラーヴェの。はい、手を当てます。はい、念じます。ほいできた!

さらにミーシャの。ほい手を当てる。ほい念じる。ほいできた!

最後にシーナの。手を当てます、念じます、はい完成!

予想通り使った魔力は4分の1程だった。

「これで熊さん、おそろいだね!」 

「そうだね!」「これで鞄がいらないわ〜」「ありがとうアカリ!」



その翌日から、みんなが鞄に熊さんしか入れてこなくなったのは言うまでもない。そして、みんなのお部屋がきれいになったのも言うまでもない。

あの熊さん、ちょっとほしい!片付けの友ですよ

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