検証
仏霊会に伺ってから、数日が経った。あれから、リボンなどの効果やダブルの能力について確認をした。
リボンの効果は、真冬が感知できない範囲から有効のようだった。お勧めのものだけあって、とても良い商品だ。
真冬と共に、その後Fランクの仕事からやり始めたが、FやEランクくらいなら問題無いことが分かった。っていっても、まだ合わせて3件しかこなしていないが。最初が、厳しかっただけで、ランクが低ければ命に関わることがないようだ。茉莉花の言う通り、効率が良い仕事だ。
真冬もいることで、もう少しランクの高い仕事もできる気がしてきたが、まずは能力の検証をしたいと思う。今まで使っていなかった【ダブル】の能力を検証だ。
そのため、例の鈴で、茉莉花を呼び出すのであった。
チーン……
あれっ?!反応がないな。
もう一度、鳴らそうとした時に
『はいはーーい、急だねーー。君もー。僕も暇ではないのだよ。今日は、どうしたんだい!?』
茉莉花は、寝間着姿であった。俺は、本人が忙しいというので、触れないでおくのであった。
『今日は、ダブルの付与の件で呼んだんだよ。これって、平気なのか?内藤 進は、これで自我が崩壊した気がするんだが……大丈夫なのか?』
『ん?その事かー、平気なんじゃないかな?!能力事態は、わからないけど、自我が崩壊したのは、【嫉妬】によって起きたのは間違いないからね。普通の嫉妬でなく、レヴィアタン直々に、増幅されたことが原因だね。』
『なるほど。そしたら、普通なら問題ないんだな。』
『そーだよ!むしろ、便利そうだし良く分からないから付与しただけだから』
(良く分からないのを、付与すんなよ。)
『わかった。そしたら、自分で検証してみるよ。それと、火輪をみるに霊力をコントロールしているが、俺もできないか?とりあえず、このステータスを常に見えるのは、困るかな。』
『ほーー、そしたら、今の状態を説明すると身体から霊力が漏れているのね。穴あきのコップみたいなもん。それを体内にとどめるように蓋をしてみて。簡単だからさ♪』
そういわれ、イメージしてみた。
『イメージ出来たら、真冬ちゃんを見てみて。どう、ステータスは、見えるかい?逆に、集中してみてみな。少しは良いことがあるかもよ。それじゃね』
そういうと、茉莉花は去っていった。
それから、検証を始めた。
真冬のステータスは、見えなくなっていた。見ようと、集中してみたら元通りみえるようになったが、集中しても特に変わった様子はなかった。まー、訓練は、これから続けておこうと思うが。
ダブルはかなり使える能力であった。一人は、大学やバイトへ行き、一人は家でゴロゴロしたり、たまに、競馬やパチンコへ行っていた。さすがに麻雀は辞めておいたが。
現在の検証結果
片方が能力を解除すれば、もう片方へ解除した方の経験した知識を共有される。
また、解除した瞬間に、存在がなくなるので、もう片方のいる方へ統合された。大学やバイトの帰り道が非常に楽だった。あと、換金しに行くのも。
他の者への効果についても、同様の効果がでた。
精神への干渉は、特に起きなかった。やはり【嫉妬】の関与が濃厚であった。
一つデメリットがあるとしたら、霊力を半分に分けるようなので、分散すると戦いには不向きな時もあるようだ。まー、進のように、不意討ちなら関係ないが。俺の場合は、戦闘事態まっぴら後免なので問題ないだろう。
余談であるが、腕時計の能力も効果が抜群であった。付けた次の日の大学は、過ごすのに最高となった。
火輪のような霊能者には、気付かれるが普通の者には、存在が薄く、ぶつかるくらいしなければ認識されなかった。火輪信者からの冷たい目や陰口が減るのに多いに助かった。