おつかい
俺達が台湾から帰宅すると、見知らぬ二人の女の子が出迎えるのであった。
『『お帰りなさいませ、ご主人様』』
俺と、ヤバタは、扉を閉じ、自分たちの家か確認をするのであった。
しかし、間違えでないので、もう一度、扉を開くのであった。
『『お帰りなさいませ、ご主人様。お初申し上げます。留守の間、メイドとして務めさせて頂きました。カイト・シズネでございます。』』
薫子さんの手ほどきにより、改心させられた二人が出迎え、リビングへ案内をするのであった。
『薫子さん、真冬ちゃん、何があったの?こんな可愛い子ちゃんを雇って。』
『あらあら、そんなに焦らなくてもいいのよ。ひーちゃん。』
『可愛いだって。えへへ。』
シズネが、頬を染め喜んでいるのであった。一方、カイトは、照れてはいるがツンとしているのであった。
そこで、真冬が念話で、簡単に留守中の出来事を教えてくれるのであった。
それを聞き、二人をみると、まさか男の娘とは言われなければ気が付かないのであった。
(おい、真冬。本当なのか?どうみても、女の子に見えるが...。)
(凄いでしょ。薫子さんは、ある意味、魔法使いかもしれないね。初めは、童顔な男性にしかみえなかったけど。今や見た目も仕草も完ぺきで、私もびっくりしちゃった。同じ女として負けられないわ。)
(そっそうか。頑張ってな。)
ヤバタに関しては、内情を知らないので、言わない方がいいであろう。いや、言えないのであった。
あんなに、幸せそうな姿を壊せないのであった。
そうして、各々の自己紹介を終え、帰路に着いたのであった。
翌日、俺と真冬は仏霊会へ竜宮城で得た紅白球を換金しにきていた。
ヤバタは、乙姫様からもらった釣り竿を持って、朝早くに、釣りに向かってしまったのであった。
わざわざ、書置きも残していたのであった。
『クズヘ
今日、一緒に仏霊会へ行く予定だったけど、1人で行ってきてくれ。
ごめんな。とりあえず、身分証明のカードを置いておくから、振込も頼んだ。
俺は、もらった釣り竿が安全か、確かめなければいけないと思ったんだ。皆が住んでいる家を危険に晒すわけにはいかない。幸いにして、俺の能力は確かめるには、都合が良いだろ。
だから、起こすのも悪いから、手紙を置いておくよ。
P.S 帰ったら、またBBQしようぜ。食材は任せておけ。大量に持って帰るから。
ヤバタより』
俺は、読み終えると、面倒事を押し付けられたのであった。
(あいつーー。どうりで、昨日は早く寝たなーって思ったよ。最初から行く気なかったじゃねーか。)
俺と真冬が、換金待ちをしていると、バタバタと騒々しいのであった。
面倒事に、巻き込まれるのは嫌なのだが、野次馬根性がない訳でないので、話を受付に聞くのであった。
『すみません。何かあったんですか?』
『実は、五霊葬という高霊能者の1人が重体で運ばれたみたいで。』
『五霊葬!?って、何だっけ。聞いた事があるな。』
『クズさん。火輪ちゃんが五霊葬にゃの。信さんが前に言ってたの。』
『えっ。すみません。それって、火輪ですか?』
『ごめんなさい。誰だとは、分からなくて...。』
それを聞き、俺と真冬は、少し胸がざわつくのであった。
火輪は無事か、やはり気になるので、すぐに電話をしたが繋がらなかった。
そのため、診療所へ顔を出してみるのであった。そこには、青白い顔をした火輪の姿があった。
そして、その横には、綺麗な女性が横たわっているのであった。この人が重体で運ばれたのは、一目瞭然であった。
『火輪、大丈夫か??』
火輪からは返答がなかった。どうやら、ショックを受けているのか、反応がないようだ。
『おい。火輪!!』
火輪の肩へ手をやり、強く呼びかけると、ようやく気が付くのであった。虚ろな目をしていた火輪の目に、少しだが活力が戻るのであった。
『あ...せんぱい...。』
そして、突如、俺の胸に頭がもたれかかり、人目をはばからず泣き出すのであった。
どうやら、緊張の糸が切れてしまったらしい。
俺は、胸を貸しつつ、火輪の横で、ベットで倒れている女性に目を向けたのであった。
外傷は、少しあるみたいだが、見た目からは特に重体には見えなかった。
一応、ステータスを確認してみるのであった。
潺 水貴 (22) せせらぎ みずき
職業:社会人・五霊葬・玄武の加護
能力: 水葬
悩み:火輪の安否
解決策:目を覚まし、火輪の元気な姿をみる。
心情:うぅーー。苦しい。助けて。火輪逃げて。頼むから。やめてぇー....。
未来行動(30秒):変わらず、うなされている。
ステータスを見ても特に変わった様子はないようであった。
一先ず、火輪をなだめると、疲れが出たのか寝てしまったので隣のベットへ運んであげたのであった。
どういう状況か、分からないが、火輪が目覚めるまで真冬と待機する事にした。今の火輪を、そのままにしておけないからだ。
その時、診察をしに穂乃果先生が入って来るのであった。
真冬は、平然としているが、疑いが取れていない穂乃果先生に警戒をしていた。
もちろん。俺も念のため警戒した。アビスという組織である可能性もあるが、魅了されてしまうのもあったからだ。真冬の前で、そんな事をしたら、後でどうなるか分からないからだ。
『あっ、久しぶりですね。クズさん。色々、噂は聞いていますよ。頑張ってるみたいですね。』
心情:見ないうちに、逞しくなって。私も頑張らないと。
『お久しぶりです。そんな事ないですよ。穂乃果先生の方が頑張ってるじゃないですか。先生の担当だったんですね。』
『はい。そうなんです。でも、症状を維持しているだけで。恥かしながら、手の施しようがなくて。』
心情:私の能力じゃ、治せない。霊力と精神が弱り切っている。
『そうですか...。なにかの能力で、こうなっているんですか?特に大きな怪我とかがないように見えますが。』
『鋭いですね。おそらく、何かの能力なんですが。信様でも、取り除けないので。外部からでは解除出来ないようでして。このままだと、衰弱が進み、危ないかと思われます。』
心情:本人の霊力と精神が回復しないと...。でも、私の力だけじゃ...。
『あのぉー、先生の能力って治癒でしたよね!?そしたら、俺も手伝いましょうか?』
俺は、この時、AIを発動し、すでに答えが出していたのであった




