皆で検証しよう。
仏霊会には、真冬に警護してもらいながら、辿り着くのであった。
この案件に対して、どこへ行けばいいか分からなかったので、番頭さんに聞くとB4Fの役場へ行くようにと言われたのであった。
番頭さん曰く、迷ったら役場。との事だ。
役場へ着くと、受付の方に話かけるのであった。
『あのー、すみません。山端 久に会いたいのですが、可能でしょうか?』
『少々、お待ちください。』
それから、受付の方は、どこかに確認を取っているようであった。数分後、確認を終えたのか、険しい顔をして戻ってくるのであった。
『申し訳ございません。そのような方は、在籍していません。』
『えっ。ちょっと、待ってください。いるはずですなんです。』
『申し訳ございません。こちらでは、対応できませんので、霊能長室へ伺ってください。』
受付の方は、そういい霊能長室へ促すのであった。
俺と真冬は、促されるまま向かうのであった。
『ヒョッヒョッヒョッ、久しぶりだの。すまんなー、ここまで呼び出してしまって。』
あいかわらず、独特の笑い方をしながら、神楽 信は話かけてくるのであった。
『お久しぶりです。あの山端は、在籍していないとの事ですが、どうゆう事でしょうか?』
『彼は、罪人だからの。表の仕事は出来ないからのー。判断は、儂にゆだねられてるゆえ。なぜ、彼に会いに来たのだの?』
俺は、事の経緯を話すと、信さんは、ピクッと眉間に皴が寄り眼光が鋭くなるのであった。
『お主も、よく首を突っ込むの。』
『あまり突っ込みたくはなかったですけどね...。私の友人が、巻き込まれているかもしれないので。』
『なるほどのー。そしたら、山端を呼び出すから、少し待つのじゃ。その間、ちと、先ほどの話で出た黒い箱を見せてくれんかの。』
『わかりました。』
俺は、黒い箱を信さんに差し出すと、より一層、皴が濃くなるようであった。
『これは、術具であるの。ただ、開いてみないと効果が分からないのー。そしたら、安達も呼び出そうかの。』
そういい、信さんは、どこかへ連絡をするのであった。
そして、部屋の奥に手を当てると隠し扉が現れるのであった。
『ヒョッヒョッヒョッ、驚いておるな。ここから先は、儂の許可がないと通れないからの。ついてまいれ。』
俺と真冬は、頷きついていくのであった。
奥へ歩いていくと、色んな施設があった。そこを抜けると、広場が存在していた。
広場に着くと、ここで暫く待てとの事だった。
『ここは、なんですか?』
『ここは、研究所と実験施設と行った所かの。後は、罪人の唯一の居場所なのじゃ。』
『ここに、ヤバタが....。』
辺りを、見回すと特に何もない殺風景な場所であった。
『信様。何でしょうか?』
後ろから、声をかけて来たのは、安達 守であった。
『ちょいと、手伝って欲しい事があるのー。それにしても、山端の方が遅いとは何考えているのじゃ。』
信さんが、そう愚痴にしていると、ようやくヤバタが遅れて来るのであった。
『信様。今度は、何ですか?これでも、意外と忙しいのですよ。あれ??クズじゃん。何してんだ?こんな所で。』
『お前に用がって来てくれたのだ。その前に、追加で仕事が増えたからの。』
『えぇーーー。ちょっと、待ってくださいよ。守がいるって事は、またですか?』
ヤバタの小言に、ギロリと一睨みすると、ヤバタは渋々、承諾するのであった。
『思いのほか、元気でよかったよ。』
俺は、ヤバタが意外と生活に順応している事に安心するのであった。
信さんが、この二人を呼び出す理由は、万が一のためであった。
危険物の検証の際に、結界とジャミング(干渉)の能力は、とても便利であるらしく、二人とも良くセットで仕事をさせられるようであった。
方法は、二重結界の間に、ジャミングを入れる事で、能力的にも物理的にも何があっても防ぐことが可能になるらしい。もはや、鉄壁ではないかと思うのであった。
『説明を聞くと、安全なのは分かるのですが、ヤバタのジャミングで結界が壊れる可能性があるんじゃないですか?』
『クズー。前の俺ならな。今は、拷問....いや、鍛錬を受けて、コントロール可能なんだよ。それに、守も前より上達して上手いんだぜ。』
『はい。任せてください。だいたい仕事が同じなので、問題ないですよ。ねっ、お兄さん。』
『はぁ??まだ、認めてねぇーぞ。』
なんだかんだ仲良くやっているらしい。
『いつまでも、じゃれてないで準備しな。』
広場の中央に、黒い箱を置き、四方に杭を刺すのであった。
そして、ヤバタと守は、能力を発現し始めた。
『こっちは、準備オッケーですよ。』
そうすると、信さんが合図をすると、黒い箱の地面に魔法陣のような紋章が現れるのであった。
どうやら、先ほどの杭は、霊力を発生させるものらしく、それで間接的に術具を作動させるようであった。
数秒経つと、黒い箱が淡く光り始めて、大きな発光をしたのであった。
気が付いた時はすでに遅かった。
そこから、バァァーーン!!ガラガラガラという大きな爆発が起きるのであった。