コマリの行方!?
ダブルを解除すると、前みたいに解除できない訳でなく、安堵した。
(しかし、いつの間に拘束されていたのであろうか?)
あのまま、捕まってしまった事を考えると、ビビってしまうのであった。
ドキドキ。
半身の現状は、まだコマリを尾行しているようだった。
競馬場から移動して、とある駅のロッカー前に着いていた。真冬には、念話で合流を頼んでいた。
コマリは、封筒からロッカーのカギを取り出すと、軽くあたりを見渡し、ロッカーを開くのであった。
ロッカーを開いた所で、俺は話かける事にした。
『コマリ、こんな所で何をしているんだ?』
コマリは、ビクッと両肩を震わせて、振り返ったのだった。
『なんだ。クズか、驚かせないでよ。何って、荷物を取りに来ただけよ。クズこそ、何してんの?』
心情:なっなんで...。こんな所にいるのよ。
『そうか、競馬場で見かけてな。ガラの悪い奴と話してたから。悪いと思いつつ、つけさせてもらった。』
心情:見られてた....。どうしよ。どうしよ。でも、....。
俺がそう言うと、コマリの顔は一層青白くなってくるのであった。
『コマリ、何か危ない事をしてないよな?何かあんなら、相談しろよ。』
心情:駄目だ。これは、私の問題なんだから。巻き込みたくない。どうしよ....。
俺は、続けて問いかけながら近づくと、コマリは、慌てて逃げ出してしまった。
ロッカーの荷物を、そのままにして...。
(くそ。あいつ何をしてんだよ。まー後で、電話すればいいだろう。荷物も取ってないようだし。)
俺は、ロッカーを開き、中に入っている物を手に取り、回収するのであった。
一先ず、俺は、回収した荷物を持って、家に帰宅することにした。真冬は、あの後すぐに合流できたので、背後の護衛を頼んでの帰宅だった。
『クズさん、どうするのかにゃ?』
『そうだな。とりあえず、中身を確認してみるか。』
そう言い、俺は荷物を開けるのであった。荷物の中は、黒い箱が一つ入っていた。
黒い箱は、不思議な模様が付いており、継ぎ目がないようだ。それだけでなく、開け口もなかった。
(なんだこれ??想像と違ったな。てっきりヤバい薬でも入っているかと思ったが...。)
『にゃんにゃの?それは?』
『うーん、なんだろうな。俺にも分からん。明日、コマリに聞いてみるしかないだろーな。』
しかし、次の日、コマリは大学に姿を現さなかった。連絡しても、既読にすらならなかった。
(おかしい。確かに、会い辛いのは分かる。でも、コマリには、これが必要なはずなのだが...。)
コマリが会えない事で、八歩塞がりになってしまった。
どうしようか考えつつ、これを仏霊会に持っていく事にするのであった。あそこなら、ヤバタもいるし何かしら分かるかもしれないと思ったのだ。
そこで、ダブルを使用した。片方は大学でコマリが来ないか待機し、片方は仏霊会に向かうのであった。




