教えて火輪さーーーん
8/25に更新の予定でしたが、少し早めに更新を開始します。
遅くなり、すみません。
その後、のんびりと過ごしていた。
たまに、幽霊を見つけては成仏を手伝ったり、アルバイト・大学に言ったりと変わった事はなかった。
そのおかげで、黄砂球1個、透明球5個を手に入れていた。
(大分、溜まってきたな。そろそろ換金しに行くかな。だいたい10万~45万か。
なかなか良い副業になってきたもんだ。最近、競馬とかもいってなかったし、軍資金にして遊びに行くかな。)
そう思いながら、大学を歩いていると、人だかりを見つけるのであった。
おそらく、火輪であろう。最近、俺と話すこともあり、信者達も自分も意外と行けるのではと思い、火輪を囲っているのであった。
また、火輪に無残にフラれたいという目的に行く輩も増えていた。
俺は、信者とドM達と関わりたくないので、気配を薄くしているのであった。
しかし今日は、そう簡単には行かなかったのだ。
午後の講義を受けにいき、教室の端で授業の開始を待っていると火輪の姿が見えたのだ。あろう事に、同じ教室に入ってくるのであった。
たまにある事だが、学部・学年が違っても講義が被ってしまう事があるのだ。
そして、火輪は俺を見つけるのであった。
『せんぱーい。久しぶりですね。聞いたよー。大騒ぎを起こしたって。』
(今、お前が大騒ぎを起こしているがな!!)
火輪の周りの方々から嫉妬という熱視線が注がれるのであった。
『そっ...そうか。少し、事が大きくなっただけだよ。
特に、被害が起きたわけでないし。ところで、隣に座る気か?
後ろの...お友達との方が良いんじゃないかなー。』
『え?別に友達じゃないよ。何か、奢ってくれたり、親切にしてくれるだけだよ。名前も知らないしさ。』
『それなら、名前くらい覚えろよ。』
『いいの。いいの。だって、こっちが拒否すると、泣かれたり、しつこいからさ。それに、知っているんだから。先輩のせいでもあるんだからね!?』
『なんと事やら...。』
(確かに、俺のせいでもあるが。普段、クールとされているお前が、笑顔で話かけてくる方が悪い。キャラを付き通してくれよ。)
そして、講義を一緒に受けることになった。
『先輩、それにしても真冬ちゃんの能力すごそうだね。噂になってたよ。』
『確かに、目の前に現れたら、驚くだろうな。
後は、コントロールが必要だけど。
そういえば、修練場で、前より霊力を使用したと思うんだが、あまり疲れが出なかったんだよ。』
『おそらく、原因は、こないだの入院のせいだね。そもそも、先輩は基本が分かってないでしょ。霊力って、何かわかる?』
『言われてみると、あんまり分からないな。生命エネルギー的な感じか?』
『まー、間違いでないかな。霊力ってのは、霊容量と霊流力の事をいうんだよ。』
『霊容量と霊流力??言っている事が、さっぱり分からん。』
『まず、霊力が生命エネルギーって事は、あながち間違いではないんだよ。
元々の生命エネルギーが高い生物は、霊を見る事が出来るからね。
ほら、犬・猫は見えるとかいうでしょ。
ただ、食物連鎖が上に行くと、そのエネルギーを他に使ってしまってる事が多いの。人間なら脳へ。象やライオンなんかは、身体の構造と動かすためのエネルギーなんかにね。
逆に、食物連鎖の下の方は、身体の作りや大きさが小さいけど、生命エネルギーが高いんだよ。でも、ほとんどが種の繁栄に使うから数が多くなるんだよ。』
『んー、何となく分かったけど、霊力が高くなったから、疲れなくなったって事だよな?』
『ご名答。簡単に言えば、霊力が上がったって事。
ただ、何が上がったかって話なの。そこで、霊容量と霊流力が出てくるの。
霊容量っていうのは、体内に霊力を貯めるタンクみたいなものなの。
そこから使用するために、流す力を霊流力っていうの。
霊流力が低いと、容量があっても出力が低いから、やれることに限りがあって、逆もしかりって感じ。』
『そしたら、霊容量が前より上がっているって事か。』
『おそらくだけど、先輩の場合は両方上がっていると思う。先輩の場合、能力を重ね掛けして、1回で霊力を使い果たしたんだよね?』
『そうだけど。死にかけたがな。』
『普通は、そこまで出来ないものなの。霊力がガス欠になる前に、身体に異変がでるから。それを、上回る量を1回に放出となると、霊容量は、今の段階ではギリギリまで拡がったと思う。
そして、霊流力も、その量を1回で出せるようになっていると考えられるよ。』
『それって、すごい事なのか?良く分からないんだが。』
『凄いに決まってるよ。1回で放出する事を、タメが無くて出来るって事が凄いの。私が1回で霊容量を放出するには、まず手とか身体の外で霊力を溜めてから放出しないといけないから。』
『でも、そしたら、霊力のコントロールは難しくなったんじゃないのか?』
『霊力のコントロールは、強くするより弱くする方が簡単なんだよ。
自分の出力以上のものは、イメージしにくいからね。反対に、限界の出力を知っていれば、そこから引き算するだけだから。
かと言って、先輩は霊力がグーンと上がっていると思うから、徐々に限界値を知っておいた方がいいね。また、同じことを繰り返さないためにも。』
『おぉー、良くわかったよ。ありがとう。火輪先生。今度、何か奢るわ。
あと、お願いがあるんだけど、今度、鍛錬に付き合ってくれるか?
真冬と俺じゃー、また問題が起きかねないからさ。』
『いいよ。先輩のためなら。週末はどう?』
『えっ、そんなすぐにか?』
『早い方がいいと思うけど...。』
『ちょっと、今週は...。宝塚記念が..あって...。』
『えっ??何、今週に今週にないが?声が小さくて聞こえなかったんだけど。』
『競馬で宝塚記念があるんだ。』
『へぇー競馬か。そしたら、私も連れてって。今回のお礼は、それで。』
『鍛錬はいいのか?』
『まー、今度でいいよ。競馬ってやったことがないし、行ってみたいかな。』
『二十歳以上じゃないと出来ないぞ。』
『いいの。いいの。先輩が買えばいいし。別に、お金が欲しい訳でないからね。体験してみたいのよ。』
そう言われ、俺は了承するのであった。
(まー、色々と為になったな。鍛錬も付き合ってくれるし、連れてくだけだもんな。)
すっかりと、時間は過ぎており、講義は丁度終わっていた。
まったく、聞いてなかったが火輪が後でノートをコピーさせてくれた。
詳しく言えば、火輪信者の物だが......。